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ファイナンシャルプランナー 大竹 のり子(おおたけ のりこ)
編集者を経て2005年4月に女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」を設立。 現在、雑誌、講演テレビ・ラジオ出演などのほか、女性FPによる個人マネー相談や人生の“やりたい”を“できる”に変えるための「お金の教養スクール」を運営中。『なぜかお金に困らない女性の習慣』(大和書房)『老後に破産しないお金の話』(成美堂出版)など著書は70冊以上に及ぶ。https://www.fpwoman.co.jp

【第5回】生命保険と不動産投資の意外な関係

日本人は生命保険好きだと言われます。生命保険文化センターが実施した「生命保険に関する全国実態調査」(2021年度)によると、1世帯あたりの年間払込保険料は平均37.1万円に及ぶそうです。決して家計への負担が少なくない生命保険料ですが、実は不動産投資をすることで減らすことができる場合もあるのです。

■投資用ローンにも「団体信用生命保険」が存在する

住宅ローンを組む際に多くの場合、加入するのが「団体信用生命保険」(以下、団信)です。これは、ローン返済中に死亡したり、高度障害状態になったりした際に残債の返済が免除されるという生命保険のこと。最近では、死亡や高度障害状態になった場合のみならず、三大疾病や七大疾病といった特定の病気でも保障がつくものが増えてきています。

この団信ですが、実はマイホームを購入して住宅ローンを組んだ場合だけでなく、収益物件を購入して投資用ローンを組んだ場合でも加入できます。加入が必須なのか、任意なのか、また保険料が金利に含まれているのか、金利に上乗せされるのかは金融機関によっても異なるようです。

ローン返済中に所定の状況になったら残債の返済が免除されるという点では、住宅ローンの団信も投資用ローンの団信も同じですが、決定的に異なるのが、その後の毎月のキャッシュフローです。マイホームの場合は、毎月、ローン返済をしなくてもその家に住むことができますが、キャッシュフローとしてはプラスもマイナスもありません。一方、収益物件の場合には、毎月、ローン返済の必要がなくなるだけでなく、賃料収入というプラスのキャッシュフローを生みます。もちろん、固定資産税や入退去時の費用、区分マンションであれば毎月の管理費や修繕積立金などはかかるものの、大黒柱に万が一のことがあったり、病気で働けなくなったりしたときに、毎月家賃収入が得られ、その大半が手元に残るというのは心強いですよね。

■そもそもなぜ「生命保険」が必要なのか

冒頭でも書きましたが、日本人はとにかく生命保険が好きな国民だと言われます。実際に家計相談に乗っていても、特にファミリーの場合、毎月3〜4万円を生命保険料として支払っているというケースも少なくありません。もちろん、将来のための貯蓄を兼ねた場合など、必ずしも保険料が高いから必要以上に保障をつけすぎているとは言えない場合もありますが、「万が一の場合の保障」を保険で買っている場合には、コストは少なければ少ないほどよい、ということになります。

生命保険における死亡保障の必要保障額は一般的に、結婚したり、子どもが生まれたりと家族が増えるに従って大きくなります。なぜなら、大黒柱に万が一のことがあった場合に、遺された家族に必要な生活費が、死亡保障の必要保障額だからです。

裏を返すと、死亡保障の合計が必要保障額を満たせていれば、それ以上、保障を上乗せする必要はないのです。当然、保障額が多ければ多いほど受け取れる保険金も増えますが、そのために保険料コストが増えてしまっては本末転倒です。

ですから、必要保障額は一般的に、結婚したり、子どもが生まれたりと家族が増えるにつれて大きくなりますが、マイホームを購入して住宅ローンを組んだら、その分、元々加入していた生命保険の保障額を減らすことができます。不動産ローンを組んで団信に加入した場合も同様です。家族に必要な生活費の一部を家賃収入が補ってくれるので、その分、元々加入していた生命保険の保障額を減らせば、毎月のコストを減らすことができるのです。

■売却すればまとまった資金にも

団信をつけて不動産ローンを組むことのメリットは、大黒柱に万が一のことがあったり、病気で働けなくなったりしたときに、毎月家賃収入が得られるというだけではありません。残債が完済されるので、物件を売却した際にはまとまった資金が手に入ります。あまり考えたくないことではありますが、三大疾病や七大疾病の保障付きの団信であれば、こうした資金を病気の治療費などに充てることで治療の選択肢が広がるかもしれません。

さらに、一般的な生命保険の場合、相続税や所得税といった税金が課税されます。しかし、団信の場合には保険金が遺族や契約者に支払われるのではなく、不動産ローンを組んでいた金融機関に直接支払われ、そのままローンの返済に充てられるため、税金が課税されない点も団信のメリットといえるでしょう。

ただし、団信は希望すれば誰でも加入できるというものではありません。生命保険である以上、年齢や健康状態によっては加入できない場合もあります。既往症等があっても加入できる団信もありますが、どうしても金利は一般的な団信よりも高くなります。こうした観点からも、不動産投資を始めるのであれば少しでも若くて健康なうちに一歩を踏み出すのがおすすめです。

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不動産エコノミスト
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