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ファイナンシャルプランナー 大竹 のり子(おおたけ のりこ)
編集者を経て2005年4月に女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」を設立。 現在、雑誌、講演テレビ・ラジオ出演などのほか、女性FPによる個人マネー相談や人生の“やりたい”を“できる”に変えるための「お金の教養スクール」を運営中。『なぜかお金に困らない女性の習慣』(大和書房)『老後に破産しないお金の話』(成美堂出版)など著書は70冊以上に及ぶ。https://www.fpwoman.co.jp

【第3回】不動産投資ローンの審査基準

不動産投資を行っていくうえで欠かせないのが「融資」ですが、投資用の物件の購入時に利用する不動産投資ローンには、マイホームを購入する際の住宅ローンとは異なる審査基準があります。今回は、そんな不動産投資ローンの審査基準について考えていきましょう。

■不動産投資では住宅ローンは使えない

マイホームを購入する際、私たちの多くは住宅ローンを組みますが、投資用の物件を購入する際には、一部の賃貸併用住宅を除いては住宅ローンを利用することができません。住宅ローンは、その物件を住居として自分が住むことを前提とした融資であり、賃借人に貸し出すことを前提としている場合には、不動産投資用のローンを組むことになります。

こうした不動産投資のためのローンの代表的なものが「アパートローン」と呼ばれるローンです。名称に「アパート」という言葉がついていますが、実際にはアパートだけが対象となるわけではなく、居住用の投資物件の購入費用に充てるのであれば区分マンションや一戸建てでも対象となります。

アパートローンは、借入可能額、融資金利、融資期間などの条件が一定の範囲で決められている、いわば「パッケージ」の不動産投資用のローンです。金利は金融機関のタイプによっても幅が異なりますが、年2~4%台の場合が多いようです。金利がもっとも低いのは都市銀行で、地方銀行や信用金庫がそれに続きます。ただし、当然といえば当然ですが、金利が低い金融機関ほど融資の審査は厳しくなります。ノンバンクだと金利が高い反面、融資そのものは比較的通りやすくなっています。融資金利はキャッシュフローにダイレクトに影響しますのでできるだけ低いに越したことはないのですが、反面、物件を買わないことには不動産投資がスタートできないのも事実です。そういった意味では、特に初心者の方にとってアパートローンは頼りになる存在と言えるでしょう。

■アパートローンの審査基準は?

では、アパートローンは実際、どのような基準で審査が行われるのでしょうか。

住宅ローンの場合、収入や勤務先、勤務年数といった融資を受ける本人の属性が審査の対象のほとんどとなりますが、アパートローンの場合、そういった個人の属性に加えて、物件の収益性と資産価値についても審査の対象となります。これは、アパートローン以外の不動産投資ローンにも共通します。つまり、住宅ローンが「人」を審査しているのに対し、「人」と「物件」の両方が審査の対象となるという点が不動産投資ローンの大きな特徴と言えます。

個人の属性について、収入や勤務先、勤務年数といった点が審査されるという点では住宅ローンと同じです。また、資産がどのくらいあるのか、持ち家か賃貸か、他の借り入れの有無や金額、連帯保証人になれる人がいるかといったことに加え、実際の通帳をもとに毎月のお金の使い方を細かくチェックする金融機関もあります。通帳の履歴から「浪費癖がないか」「お金を計画的に使えているか」といった「人となり」も見られているということです。

物件については、金融機関によって審査の基準が異なります。特に近年は耐用年数について厳しく評価する金融機関が増えているので、あらかじめそれぞれの金融機関の耐用年数に対する考え方を確認しておくことがとても重要です。また、物件の所在地によって審査の対象とならない場合もあります。自分で情報を集めることもひとつの方法ですが、こうした個々の金融機関の審査基準については、不動産業者が多くの情報を持っていたり、場合によっては金利の優遇が受けられる提携ローンを扱っていたりもするので聞いてみるとよいでしょう。

■慣れてきたら「プロパーローン」を活用しよう

不動産投資用のローンは、アパートローン以外にも様々な種類があります。その中でも定番と言えるのが、金融機関の「プロパーローン」と呼ばれるローンです。

プロパーローンは、一言でいえば、金融機関がそれぞれの案件ごとに独自に審査を行い、条件を決定する「オーダーメイド」のローンです。資産状況が優れていたり、物件の収益性や資産性が優れていたりすれば、アパートローンよりもよい条件で融資が引き出せる可能性があります。

とはいえ、プロパーローンは個別性が高いので、金融機関の担当者によっても審査の手間がかかりますし、アパートローンよりも金利が低いことが多いので、それだけ金融機関側の旨味も少なくなります。ですから、プロパーローンとして融資の審査をしてもらうには、すでに何年も滞りなくローンを返済しており、かつ保有している物件からの収支も安定しているなど、不動産投資家としての実績が評価され、「ぜひうちで取引を拡大してほしい顧客だ」と思ってもらう必要があります。言い換えると、「人」と「物件」という審査基準に加えて「実績」という基準も加わってくると言えるかもしれません。

このように、不動産投資ローンの審査基準は、金融機関によっても、ローンの種類によっても異なります。まずは融資の通りやすい金融機関のアパートローンで不動産投資家としてデビューを果たし、そこで安定した収益を得ることで実績を評価してもらい、2つ目、3つ目の物件購入から徐々に金利の低いアパートローンやプロパーローンに移行していく、という道すじを描けると理想的と言えそうです。

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