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国際認定テクニカルアナリスト 横山 利香(よこやま りか)
金融系出版社で記者・編集者の経験を活かし、国際テクニカルアナリストとして株式や不動産を中心に資産運用をテーマに執筆活動を行うほか、セミナー講師としても活動中。自身で投資初心者向けの投資勉強会「投資力向上委員会」を主宰しているほか、個人投資家向けにYouTubeチャンネルも運営中。不動産好きが講じて、DIY女子としての一面も持つ。 https://yokoyamarika.com/

【第1回】ウッドショックで上昇基調を示した不動産市況と株式市場

■経済活動が再開され始めた米国では住宅市場が活発

 ワクチン接種が進んでいる国を中心に経済活動が久しぶりに再開され始めているようで、たとえば、マスクの着用が不要になったり、大規模イベントが開催されたり、アルコールをレストランで楽しんだりといった報道を見聞きする機会が増えてきました。およそ一年ぶりにロックダウンから解放された人々の行動力は解放感に満ちているようで、景気回復の足取りは力強いものとなっているようです。

 なかでも、新型コロナウイルス禍で米国では在宅勤務が普及したこと、さらに、金融緩和の影響で超低金利だったこともあり、米国内では住宅ブームが起こっているようです。米国商務省が発表した3月の住宅着工件数は市場予想を上回り、14年9カ月ぶりの高水準となり、順調に景気が回復していると考えてよさそうです。また、好調な住宅着工が続く米国では木材価格の高騰が続き、新築一戸建て住宅の価格や、新築アパートの家賃にも影響を及ぼしているといった報道をよく見聞きするようになってきました。

■輸入木材に頼る日本の住宅業界では「ウッドショック」

 林野庁が発表した「令和元年度 森林・林業白書」によると、世界の木材消費量は2010年以降増加傾向にあるとのことで、木材価格の高騰は米国だけにとどまりません。それにも関わらず、「令和元年度 森林・林業白書」によると、日本の木材自給率は年々上昇傾向にあるとはいえわずか3割程度で、残りを輸入に頼っている状況なのです。

 国内で木材を調達することが困難な状況にあるにも関わらず、米国や中国などワクチン接種が進んだ国々で経済活動が再開されることに伴って木材需要が従来以上に増していることが、日本の輸入木材の価格高騰や、そもそも木材を調達すること自体が難しいといった状況にまで影響が及び始めています。最近はこうした状況に危機感を抱いた住宅業界を中心に、「ウッドショック」とよばれるようになっているのです。

■住宅関連銘柄を中心に「ウッドショック」が株式市場に影響

 日本国内で着工される新築住宅の約6割は木造住宅だと言われています。そのため、木材の調達が難しくなることや木材価格が高騰することは、木造住宅の供給不足や住宅価格の高騰、ひいては賃貸アパートの家賃上昇といったところにまで影響が波及する可能性が考えられます。今回は木材不足ですが、新型コロナウイルス感染症の影響でトイレなどの住宅設備が生産できずに不足する事態に陥ったことは記憶に新しいところです。

 今回のウッドショックに限らず、各種建築資材の供給が需要に追い付かない事態が発生すると、株式市場に上場する不動産関連銘柄や建築関連銘柄の業績、さらには株価の動向にも影響を及ぼすことになります。今回のウッドショック報道を受けて、住宅関連銘柄がIRを発表するなど、株式市場に影響を与えています。

 たとえば、新築戸建て住宅の分譲販売を手掛けるオープンハウス<3288>は2021年9月期第2四半期の決算発表で、販売価格に与える木材価格の影響は軽微と発表しています。また、三栄建築設計<3228>やケイアイスター不動産<3465>、オープンハウスの三社は、資材調達や国産木材の活用推進等を行なうために一般社団法人日本木造分譲住宅協会を設立し、当面の木材調達についての見通しを発表しました。

  国土交通省が公表している新設住宅着工戸数によると、2020年は前年比9.9%減となっていて4年連続の減少となっています。さらに、東京カンテイの調べによると、首都圏の新築一戸建て住宅の平均価格は、消費増税や緊急事態宣言等の影響を受けているようで、ここ数年は下落傾向にある点を考慮すると、足元のウッドショック程度であれば影響は吸収できるといった判断を各社している様子がうかがえます。

 ただ、ウッドショックという新たに発生した懸念がいつ終息するのか現時点では見通せないこともあり、投資家の関心は高いようで株式市場は敏感に反応しました。ウッドショックが表面化して以降、木材等の住宅資材販売などを手掛ける山大<7426>に買いが集まり、株価は2週間ほどで800円程度から1672円まで駆け上がりました。また、MDF(中質繊維板)専業のホクシン<7897>の株価はわずか数日で150円から264円まで上昇しました。木材建材卸等を手がける住友林業<1911>の株価も上昇基調にありますが、木材に関連する銘柄は他にもいろいろありますので、ご自身でどういった関連銘柄があるのかを調べてみてもおもしろいかもしれません。

 新型コロナウイルス感染症の流行が、世界的な木材不足、そして木材価格の上昇を引き起こしてしました。ウッドショックがいつ終息するのか現時点ではまったく見えない状況ですから、商品市況も上昇基調にあります。今後、日本の不動産市況や株式市場にどういった影響を与えるのか、日々動向を注目しておきたいところです。

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横山 利香

国際認定テクニカルアナリスト
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