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不動産エコノミスト 吉崎 誠二(よしざき せいじ)
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。 http://yoshizakiseiji.com

【第9回】東京の賃貸住宅需要を支える興味深いデータ

―新設貸家着工戸数にみる東京の一人勝ちぶり
―これまでの経済ショックとの違い
―1都3県に通う大学生は全国の40%超!

 2020年は、新型コロナウイルスの影響で経済に大きなダメージがありました。しかし、不動産市況、不動産投資市況は、東京など大都市部では、ホテルや一部商業施設などを除いて大きな影響がありませんでした。特に東京での投資用ワンルームマンションや1棟モノレジ物件の取引においては、4~6月の一時的な落ち込みを除けば、近年並みかそれ以上の盛り上がりでした。

新設貸家着工戸数にみる東京の一人勝ちぶり

 新設住宅着工の貸家(賃貸用に建てる住居)カテゴリーのデータを見てみると、大阪・愛知・福岡をはじめ、東京を除く大都市では落ち込みを見せています。また地方都市でも、かなり大きな落ち込みが見られました。このような傾向により、2020年1年間の東京での賃貸住宅着工戸数は全国の2割を超えそうです(執筆時(1月14日)時点では2020年12月分が発表されていないため、11月分までの数字による)。 2019年は18.9%、2018年は18.6%、2017年は17.5%と東京のシェア上昇が続いていましたが、20年はかなりシェアが増えそうです。
 ちなみに、今回のような大きな経済ショックのあとに東京の貸家着工戸数シェアが増える傾向は、バブル崩壊後(1990年代前半)やリーマンショック後(2009年~10年あたり)にも見られた傾向で、大きな経済ショックが起こると相対的に東京の不動産市況が良くなる傾向が見られます。

これまでの経済ショックとの違い

 このような情勢の中で投資家の方々は、「東京の賃貸住宅需要は底堅い」と考えているようです。その要因はいくつかあります。超低金利であることや金融機関の融資姿勢、世界的に見れば東京不動産の安さ、といった金融視点が述べられていますが、それ以外に以下のような需要が旺盛であることも要因です。

〈バブル崩壊やリーマンショックとは違うコロナショックの特徴は…〉
 「新型コロナウイルスの影響による経済ショック」はこれまでの経済ショックと異なります。バブル崩壊、リーマンショックという経済ショックは日本経済全体に大きな影響を与えました。しかし、これら2回のショックで大きな痛手を被ったのは金融機関をはじめ各分野の投資家で、言うならば「大きなお金を動かしている法人や個人」、そしてそれにかかわる職に就いている方々でした。
 しかし、新型コロナウイルスの影響による経済ショックは、こうした金融機関や投資ビジネスを行う企業の痛手は小さく、飲食・小売りなどのサービス関連や運輸・空輸関連、一部製造業などの特定の分野となっています。また、好調だった失業率は日本全体で、急ブレーキがかかっていますが、これは全体的には一時的な「様子見」感がありますが、現実的に雇用維持に苦戦しているのは、先に述べた特定分野の企業のようです。
 IT関連企業をはじめ、今回の経済ショックでは昨今の株価が反映しているように、業績が大きく伸びている業界も多くあります。比較的若年層が働くこうした業界の就労者は所得が伸びており、旺盛な消費者となっています。そして、こうした企業の多くは東京都心にオフィスを構える都市型企業であるという点がポイントです。

1都3県に通う大学生は全国の40%超!

 毎年正月2日3日に開催される箱根駅伝ですが、「関東学生陸上競技連盟」が主催となっており、関東(山梨等周辺含む)の大学しか出場できません。「正月の風物詩」とまで有名になった箱根駅伝を「全国どの大学でも出場させるようにしよう」という声もあるようです。 出走するランナーの出身高校の多くが、西日本の高校であることに驚かされます。大学駅伝(陸上長距離)界では、すでに東京(関東)の一極集中が進んでいます。

 下図は、東京の大学(私立・国公立)に通う学生数の推移です。ここでいう東京の大学とは、本校所在地が東京の大学を指します。

 これをみると、ほぼ一貫して2000年以降右肩上がりで増えていることが分かります。
 2000年から19年までの間に学校数は27校増え、学生数は約76万人、この間に約9万2000人増えています。全国の大学生のうち26%が東京の大学に通っています。ちなみに1都3県に通う大学生は全国の、なんと40.5%!です。

 こうした、東京の大学には、先ほどのべた陸上界が顕著なように地方(関東エリア外)出身者が多く在籍しています。このような学生のほとんどが(駅伝ランナー等は寮に住んでいますが)、民間の賃貸住宅に住んでいます。
 こうしたデータも東京(首都圏)における賃貸住宅の底堅さを物語っています。

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