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不動産エコノミスト 吉崎 誠二(よしざき せいじ)
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。 http://yoshizakiseiji.com

【第8回】2021年マンション投資を中心とした不動産市況予測

―2020年の振り返りと不動産市況全般の見通し
―実需マンションの動向と2021年の見通し
―投資用マンションの動向と2021年の見通し

2020年の振り返りと不動産市況全般の見通し

 2020年の不動産市況は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた状況となりました。
しかし、東京(首都圏)の住宅(実需)や投資用マンションの市況に限れば、「緊急事態宣言が出された期間とその前後を除けば、概ね前年並みだった。」といえる状況でした。
 新設住宅着工戸数は、10月まで発表(12月15日現在)されていますが、全国で見ると20%を超える大幅減になっており、最も影響が少ないのが東京都となっています。特に全体の約4割を占める貸家(賃貸用住宅)の落ち込みは全国に大きくなっていますが、東京では少しの落込みに留まっています。
 首都圏への人口集中が議論になっていますが、2020年の住宅着工数をみると、完全な一強状況といえるでしょう。
 また、新型コロナウイルスの影響による働き方の変容、つまりリモートワークが広まった(あるいは一般化し定着した)ことによる、東京からの脱出が増えているという報道がありますが、確かに例年に比べて増えたようですが、人口比に換算すると、「ほんのわずか」だといえそうです。首都圏、東京の魅力が際立っているのでしょう。

実需マンションの動向と2021年の見通し

 実需マンション(=投資用ではなく自宅用のマンション)の市況について、新築マンションと中古マンションに分けてお伝えします。

 新築マンションの発売戸数・契約戸数は、緊急事態宣言が出されていた期間(=4~6月)は、モデルルームの閉鎖など実質的に営業が止まっていた影響が色濃く出て、前年同月比でマイナス50%~マイナス80%と大きく落ち込みました。しかし、夏をすぎた9月頃からはプラスの月もあり、概ね前年並みに回復しました。ただ、発売戸数は、数年前から好立地の用地の仕入れが難しくなっていることに加えて、デベロッパーが新型コロナウイルスによる売れ行き悪化懸念から、発売見送りや延期する例もみられて、2020年は販売戸数の多かった時代に比べて大きく減っています。
 このように発売戸数が少ないため、新築マンションの価格は、都心一等地で大規模物件が発売されたりすると、新築マンション価格が急上昇するといった現象が起きており、近年では新築マンション価格の平均だけを見ても市況を掴むことが難しくなっています。
 全体の動きをみていると、2020年は景気悪化懸念があったものの、新築マンション価格の大幅な減少は見られず、横ばい~やや上昇といった状況になっています。
 2021年は、新型コロナウイルスの影響がおさまるという前提で述べると、「買い控え」をしていた消費者が戻ってくる可能性があること、先延ばし物件の発売が行われる可能性が高いこと、などが予想されます。購入層の所得も大きな落ち込みがないとおもわれますので、活況になると思われます。

 次に中古マンションの市況と2021年の見通しですが、こちらも不動産売買仲介業者が緊急事態宣言期間中は活動を控えていた影響で、流通量は一時大きく落ち込みましたが、現在では回復~前年比増という状況になっています。
 近年発売される新築マンションは好立地かつ希少性が高くなっているため、ある種の「高嶺の花」状況となっています。本来は新築マンションを探していた方が「中古マンションに流れる」という現象がここ最近続いています。そのため、中古マンション市況は、もうしばらく好調が続くと思われます。ただ、かなり高くなってきており、そろそろ天井感もありますので、価格の上昇幅は少ないと思います。

投資用マンションの動向と2021年の見通し

 投資用マンションの市況は、新型コロナウイルスの影響があまり見られませんでした。ただ、サラリーマンの方買うようなワンルームサイズの投資物件は、セミナーの開催が減少するなど、プロモーションを控えていた状況に加えて、「もう少し落ち着いてから」というマインドも見られ、やや販売数は落ち込んだようです。しかし、投資家アンケート等見ると、投資家の意欲が減少しているという状況ではないようです。

 逆に、昨今の株式市場と同じように、主に専門的な投資家や富裕層が購入するような1棟モノのレジ物件は、好調を維持しています。国内投資家に加え、海外投資家(主にアジア圏)も積極的に「買い」に走っているようです。

 また、金融機関の融資姿勢ですが、リーマンショックの時のように引き締めの兆候は見られません。低金利もしばらく続くことは、ほぼ確実だと思います。
 こうしたことから、2021年のレジデンス投資(ワンルームマンション、1棟モノ)とも、現在のように好調をキープするものと思われます。ただ、新型コロナウイルスの影響が長引き、サラリーマン投資家のような方の戻りが遅くなることが懸念材料でしょう。
 

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