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弁護士に聞く本当にあった不動産の失敗

プロフィール

弁護士種⽥ 和敏(たねだ かずとし)

経歴

神奈川県藤沢市出身
神奈川県立湘南高校卒
東京大学法学部卒
成蹊大学法科大学院修了(夜間コース)
元港区役所職員(障がい者、保育園入園相談、地域猫問題、リサイクル行政を担当)
 
2011年 弁護士登録(新64期)
2012年 当事務所入所

所属

第二東京弁護士会

趣味

サッカー、フットサル、お酒

弁護団等

ビギナーズネット(司法修習生の給費制維持のための若手ネットワーク)
http://www.beginners-net.com/
日本弁護士連合会司法修習費用給費制緊急対策本部
福島原発事故被害弁護団
全国B型肝炎訴訟弁護団
http://bkan-tokyo.com/

委員会等

第二東京弁護士会消費者問題委員会
第二東京弁護士会修習生委員会

ひとこと

労働問題や借地借家などの問題を中心に日常業務を行うとともに、東京北部(練馬・板橋・豊島・北・文京)での課題(板橋区大山の特定整備路線26号線の問題),平和をまもる運動(自衛隊の行動をウォッチする活動),市民のための法律家の育成(司法修習生の給費制廃止違憲訴訟)にも積極的に取り組んでいます。
 
また,毎月のように、各地で開催される「憲法カフェ」で講師をしています。2015年5月には,『だけじゃない憲法』(猿江商會)を出版しました。http://saruebooks.com/item/book_02.html
お気軽にご相談ください。

委員会等

セミナー講師

不動産投資のリスクを、実際に現場で起きている問題から学ぶ!

不動産投資のトラブルは、ミクロで見るとさまざまな事情や状況で多岐にわたりますが、法的な結論はシンプルで、いくつかのポイントを抑えておけば、トラブル回避は充分に可能です。そこで、私たち弁護士が実際に相談を受けた案件から、よくあるトラブルをご紹介。なぜ問題が生じたのか、そしてどのように解決したのかをわかりやすく解説します。

弁護士種⽥ 和敏(たねだ かずとし)

弁護士(第二東京弁護士会)。池袋の城北法律事務所に所属。1982年に滋賀県大津市に生まれ、神奈川県藤沢市で育つ。2005年に東京大学法学部を卒業後、東京都港区役所に5年間勤務、成蹊大学法科大学院(夜間コース)を修了、2011年に弁護士登録。借地借家の問題を中心に不動産関係の法律問題に取り組む。著書に『だけじゃない憲法』(猿江商會)。

詳しいプロフィールはこちら

不動産投資トラブル 25

知らないうちに借主の法人が全員変わっていた。これって無断転貸じゃないの?

長野県在住、大田さん、53歳、男性

 10年ほど前、学生のときに仲の良かった友人が飲食店用の店舗を探していると言うので、たまたま空いていた物件を貸すことにしました。貸した当時は友人の個人事業だったので、友人個人と契約しましたが、貸してから3年ほどして友人から「株式会社にしたので賃貸借契約も株式会社を借主にしてほしい」と言われ、私は、友人を信頼して株式会社との契約に切り替えました。
 しかし、先月の家賃が振り込まれていなかったので友人に連絡したところ、友人は、去年その株式会社を売って、もうその居酒屋の経営には関わっていないと言うのです。その株式会社の現在の役員も株主も全員、私の知らない人でした。
 会社の中身が全く変わってしまったのでは、無断転貸と同じだと思います。契約を解除して出て行ってもらうことはできますか?

よくあるトラブル 25「法人の賃借名義と役員・株主の変更」

これで解決!

 民法612条1項は、無断転貸(貸主に無断で借主が借りている物件を第三者に貸すこと)を禁じ、同条2項は、無断転貸があった場合、貸主は契約を解除できると規定しています(多くの賃貸借契約書には、民法612条と同じ内容が明記されています)。無断転貸を禁じ、無断転貸が解除原因にもなる理由は、貸主が借主を「信頼」して貸すからです。貸主の知らない第三者に自由に又貸しできるようでは、貸主は安心して貸すことができなくなってしまいます。
 この点、株式会社などの法人との賃貸借契約については、あくまで借主は法人の代表者個人ではなく、法人そのものです。ただ、ご相談と同じような事例で、法人の中身が変わって裁判になったことがあります。その裁判において最高裁判所は、平成8年10月14日、借主が法人の場合、法人の実態が全くないようなときを除いて、法人の構成員に変動が生じても法人格の同一性は失われないから、賃借権の譲渡には当たらない(つまり契約解除はできない)と判断しました。
 そうすると、ご相談者さんの場合には、契約解除はできないということになります(もちろん、このまま家賃が支払われなければ、賃料未払を理由に解除できる場合があります)。ご相談者さんがあくまでも友人個人の信頼を重視する場合、たとえば、株式会社との契約に切り替えるときに、契約書の中に友人が経営から退く場合には契約を解除できると明記することも1つの方法です。ただ、このように明記したとしても、借主の居住権や営業権が保護されているので、裁判所が解除を当然に認めるわけではなく、たとえば経営者の死亡などやむを得ない理由がある場合以外には、契約解除は認められない可能性が高いでしょう。そこでお勧めなのは、前回ご紹介した定期借家契約を活用することです。合意でないと契約更新ができない状態にしておけば、経営者が変わって、信用できない経営者と判断したら契約を更新しなければ済むので、リスクを低減することができます。

back number
不動産投資トラブル❶

入居者が決まらなくて、赤字続き…
事前の説明と違うじゃない!

不動産投資トラブル❷

このマンション、本当はいくらなの?

不動産投資トラブル❸

原状回復ってこんなにかかるの・・・

不動産投資トラブル❹

雨漏りが発生しました!

不動産投資トラブル❺

家賃を払わない借主を追い出したい!

不動産投資トラブル❻

競落した物件に前所有者の
管理費滞納があった!

不動産投資トラブル❼

サブリース業者から
賃料を減額したいと申し出が!

不動産投資トラブル❽

新しいテナントが入ったら
近隣から苦情が!

不動産投資トラブル❾

古くなったアパートを
建て替えたいけど…

不動産投資トラブル❿

ゴミ出しのルールを守らない入居者を
なんとかしたい

不動産投資トラブル⓫

“又貸し”している借主と
賃貸借契約を解除したい

不動産投資トラブル⓬

民法が大幅に改正されるようだけど
賃貸経営に影響は?

不動産投資トラブル⓭

身内がいない借主の孤独死と
後処理はどうすればいい?

不動産投資トラブル⓮

他人が所有する通路を
使わせてもらえない…

不動産投資トラブル⓯

借地上の建物を建て替えるのに
高額な承諾料が…

不動産投資トラブル⓰

賃料を増額したいけど、
借主の合意が得られなかった…

不動産投資トラブル⓱

終活にあたって、
家族が相続でもめないか心配です…

不動産投資トラブル⓲

入居者に言われた修理依頼は
何でもやらないとダメ?

不動産投資トラブル⓳

相場より安かった家賃の値上げに
賃借人が納得してくれない

不動産投資トラブル⓴

契約書に定められているのに
更新料を払ってくれない

不動産投資トラブル 21

宅地建物取引士ってどんな資格?
信用して大丈夫?

不動産投資トラブル 22

マンションの屋上から飛び降り自殺が
あった…借主に告知しないとダメ?

不動産投資トラブル 23

オーダー通りに設備投資したのに
契約ドタキャン…投資分は請求できる?

不動産投資トラブル 24

3年間だけ自宅を賃貸に出したいけど、
ちゃんと明け渡してくれるか心配…

不動産投資トラブル 25

知らないうちに借主の法人が全員変わっていた。これって無断転貸じゃないの?