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ゼロからのマンション経営 サクセスストーリー

season4

営業マンの成長ストーリー「マンション経営で人を幸せにしたい」

投資用マンション販売の新人営業マンが実際の現場での経験を通してマンション経営のリアルなメリット・デメリットを学んでいく成長ストーリー。どうすればマンション経営の良さを知って貰えるか、試行錯誤を繰り返しながら自分の営業スタイルを身につけ、念願の初契約を獲得する。

正真 泰司(しょうま たいじ)
正真 泰司(しょうま たいじ)

正真 泰司(しょうま たいじ)

投資用マンションの企画・販売・管理を手がけるフィデス・インベストメントの新入社員。就職活動のコンセプトは「成果主義で、若くても結果を出せば評価される会社!」で、不動産系から投資分野に志望を絞り、見事内定を勝ち取った。10社程度のなかから同社を選んだ理由は、圧倒的な物件の魅力と社長の人柄。自己分析は「情熱的だが不器用」。

第5話「これは僕の実績じゃない」

「おめでとう!初契約だって?」
戻るとすぐに、上司から声がかかった。
「たいしたものだ、まだ入社して半年も経っていないのに」
さっそくリボンをつけておいたよ、と壁の一角を指さす上司。
「ありがとうございます!」
新人らしく元気よく返事をしたものの、心のなかは冴えない気分だった。

うちの課では、新入社員の名前が壁に貼り出され、初成約が決まったらそこに赤いリボンが飾られる。
古典的な取り組みかもしれないが、同期の頑張りがひと目で分かるし、モチベーションアップにもつながっていた。
自分の名前の上に輝くリボンをイメージしながら、日々頑張っていた部分もあったかもしれない。
そしていま、あんなに見たかった風景を目の前にしている。
(それなのに、なぁ・・・やっぱり、どう考えても京本様は、大江先輩だから契約したんだよな)
消せないその気持ちが、目に映る鮮やかな赤さえも忌々しく思わせてしまうのだ。
リボンですぐに分かるせいで、その日は何人もの先輩や同期からお祝いの言葉をもらった。
称え合うことで会社の雰囲気も前向きになるし、みんなが「自分も頑張ろう」となる。
そんないいムードを壊すわけにもいかず、愛想笑いとともに一日が終わろうとしていた。

「なにやってるんだ?」
突然、声をかけられて身体がこわばる。
夕方遅くのアポイントメントから帰ってきた大江先輩の声だ。
「えっと、いやその・・・」
フロアのメンバーが帰ってしまい、がらんとしたオフィス。
手に赤いリボンを握ったまま、言い訳しようのない状況にただオロオロしてしまう。
「それ、初契約のリボンだろう。まさか外したのか」
「はい・・・京本様はやっぱり僕の実績じゃないって思ったので」
あきれて声も出ない、といった様子の大江先輩。
「誰の実績とか、そんなことお客様に関係あるのか?」
「いえ・・・」
「同期がもし、同じことをしたらどう思う?」
「バカだなって思います・・・」
「分かってるんならいいよ。・・・いま商談中のお客様って中野さんだっけ」
僕の手からさっとリボンを奪い取り、壁に貼り直すと何事もなかったように仕事の話を始める大江先輩。
もっと怒られるかと思ったのに、拍子抜けしてしまった。
でも、怒られるよりももっと、自分のやったことが胸に応えていた。
お客様の方を向いていない自分、バカな自分。
それを挽回できるのも、自分しかいない。

「えっと・・・。いま名刺をお渡しして、簡単な説明をしている段階です」
「どういうポイントに興味を持っていただけているみたいだった?」
奥様が臨月で、もうすぐパパになるという中野様には、マンション経営が生命保険代わりになることが響いていた。
団体信用生命保険、略して団信の保障は通常の生命保険と同等の保障内容が付けられる。
しかも万が一のときは奥さんと子どもにマンションを遺せるし、その家賃収入で家族を助けることもできる。
「生命保険の保障内容と保険料、ローン返済のシミュレーションをお渡しする予定です」
「そうだな、特約の内容もあまり知られていないから、きちんと比較できるようにな」
「はい・・・!がんばります」
「中野様のように、家族のためにマンション経営を検討される方は多いんだ。正真はまだ独身だからなかなか実感しづらいかもしれないけど、しっかり寄り添ってお話もお聞きするようにしよう」
『お客様に寄り添う』・・・そういえば安奈ともそんな話をしたと思い出しながら、改めて考える。
寄り添おうという気持ちを、伝えるにはどうしたらいいのだろう?

中野様のための資料を作っていたら、いつもよりかなり遅い時間になってしまった。
「保険」「保障」などといった文字と、数字が頭の中でまだ踊ってように感じる。
帰宅すると、郵便受けにDMに紛れてハガキが入っているのを見つけた。見覚えのある字体。
『電話ください。母』
そういえば最近は忙しくて、実家に電話もメールしていなかったなと思いだす。

「・・・もしもし?」
「泰司だけど、なんかあったの?急にハガキなんか送ってくるから」
「ふふ。なにもないわよ。メールだとスルーされるからね、ハガキ大作戦」
してやったり、という声の母。
「ちゃんとご飯食べてるの?仕事忙しいのだろうけど、無理しないでね」
分かってるよ、と答えながらも、久しぶりに聞く家族の声に、気持ちがゆるむのを感じる。
母から何度かメールは入っていたが、あとで返信しようと思ってそのままになっていた。
今日は手書きの文字が目に入ることで、その存在をリアルに実感して、思わず電話してしまっていた。
「ハガキなんてもらったの、年賀状以外では初めてかも」
「ええ~!今は仕事でお礼状なんか出さないの?」
「出したことないな・・・だってメールの方が早いし、文字を間違えてもすぐ直せて正確だし」
早くて正確なことは、相手にとってもメリットだろう。
気持ちを伝えるにはどうだろう・・・?
「でも、なんか嬉しかったかも。ありがとう。今度の休みには帰るよ」
そう約束して、しばらく雑談してから電話を切り、デスクに向かってみる。
えーっと、手書きの手紙って、どう書けばいいんだっけ?

~第6話につづく~

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