第11話「独身最後のお買い物は、未来につながるものを」

「もしかして…プロポーズ?」~土曜pm20:30 みなとみらいのフレンチレストラン~
美咲:ああ美味しかった。たまにはフレンチもいいね。
美咲の彼氏:(以下、彼氏)そうだね、予約してよかった。
美咲:でも珍しいよね。居酒屋さんが多かったのに。
彼氏:たまにはね。僕たちも長いし、ミサキに飽きられちゃうと困るからね(笑)。
美咲:そんな、飽きるなんて。…(小声で)今でも好きだし…。
彼氏:僕もだよ。それで、これからもずっと一緒にいたいと思って。
美咲:うん。(も、もしかして…?)
彼氏:(小さい箱を取り出し、渡す)。開けてみて。
美咲:これって…ホントに?
彼氏:夜景の見えるレストランでなんて、ベタでごめん。
美咲:(箱を開けて、中の指輪を見つめる。言葉にならない)。
彼氏:結婚してください。
美咲:…はい。
~最寄り駅からの帰り道を歩く美咲 電話が鳴る~
美咲:もしもし。あ、ミカちゃん。
ミカ:ゴメンね、こんな時間に。いま大丈夫かな?
美咲:うん、いま帰ってるとこだったから。
ミカ:そっか、よかった。
美咲:久しぶりだね、どうしたの?
ミカ:投資のこと教えるよ!って言っといて、
勉強会もセッティングしたものの行けなくて。どうだったかなって。
美咲:あ、勉強会ね…そっか。うん…勉強になったよ。
ミカ:……?どうしたのミサキ。なんだか上の空。
美咲:えっ?…そう?や、なんだかすごく昔のコトのような気がして。
ミカ:ふうん?で、なにか興味の湧く投資はあった?
美咲:うん…。色々あの後も調べたり、色んな人に話を聞いて
不動産投資が私には向いてるんじゃないかなって思ったの。
ミカ:へぇ~!なるほどね。
美咲:働いている独身の人や、産休中でマンション経営してる人もいるし、
なんだか私たち女性にすごくいいんじゃないかって。
ミカ:うんうん。
美咲:ほら、これから結婚したり出産したりで、状況によっては
自分自身の収入が途絶える可能性もある訳でしょ。
ミカちゃんも、会った時に言ってたけど。

「やっと実感できた、ライフプランの意味」
美咲:そんな時、自分だけじゃなく自分の大切な人や生活を守るために、
って考えたら、ローリスク・ロングリターンの投資がいいなって。
ミカ:確かにね。でも、ローリスクとまで言うってことは
もしかして、もう具体的な物件に目星を付けた感じ?
美咲:するどいな。さすがミカちゃん。
ミカ:しかも、自分だけじゃなく…なんて。もしかしてプロポーズでもされた?
美咲:(絶句)…なんで分かるの?!
ミカ:きゃあ!ホントに?カマかけてみただけなのに。
美咲:本当についさっき、いま言われたの。
ミカ:おめでとう!すごいタイミングに電話しちゃったね。
美咲:なんだか不思議。この前会った時はぜんぜん想像もしてなかったのに。
ミカ:結婚も、不動産投資もね。ね、プロポーズはどんな?
で、買おうと思ってるマンションはどこの物件?
って、どっちから聞いていいのか迷う~~!
美咲:まぁまぁ。私もまだ、ちゃんと消化できてないから。
ミカ:そうだよね、ゴメン。うれしくてつい先走っちゃった。
美咲:えっと、まず、いいなと思ってる投資マンションは北新宿ね。
新築で、新大久保と大久保駅の間くらいかな。
ミカ:へぇ、いいね!新大久保って今すごい人気らしいから、
かなり需要があるだろうし、家賃収入も安定してそう。
よく見つけたね、そんな物件。
美咲:それはたまたま、運がよかったのかも。
ミカ:不動産は株やFXみたいなギャンブル性もないし、
投資した分だけ、確実に資産として積み上がっていくからね。
美咲:それに、サブリース契約で空室の心配や管理の手間もないの。
ミカ:それ、大事だよ。仕事に結婚準備に、これから忙しくなるものね。
美咲:そっか、結婚準備…。…ねぇミカちゃん。
プロポーズもそうだけど、私、やっと、これからの人生のこと、実感わいてきたって感じ。
ライプラン?ってミカちゃんの言ってた意味が胸に迫ってきたよ。ありがとね。
ミカ:そんな…こちらこそ。
私でよかったらいつでも頼ってね!

「今日はお祝いかなにか?」~次の日の夜 家のダイニングにて~
美咲:マイ、ご飯できたよー!
麻衣:はーい。…そっか、今日はミサキちゃんの食事当番の日曜か。
美咲:日曜の夜だけは、作って一緒に食べようって約束だもんね。
麻衣:(席について)すごーい!今日はなんだかごちそうだね。
美咲:ちょっとがんばっちゃった。ね、ワインも開けない?
麻衣:いいけど…今日はお祝いかなにか?
ふたりとも、お誕生はまだしばらく先だし…。
美咲:や、お祝いって訳じゃないんだけど。
ちょっとマイに話したいことがあってね。
麻衣:…もしかして、プロポーズされた?
美咲:えっ…なんで分かるの?(昨日のミカちゃんと言い…)
実はそうなの。指輪をもらって…。
麻衣:そりゃー、昨日デートだって聞いてたのに、
今日は一日なんだか静かだったし。
さすがにニブイ私でも分かるよ~!おめでとう!
美咲:ありがとう!
麻衣:じゃあやっぱりお祝いだ。カンパイしよ!
美咲・麻衣:(グラスを合わせる)
美咲:あとね、もうひとつ、マイに言いたいことがあるんだ。
麻衣:もうひとつ?それは想像つかないな、なあに?
美咲:こないだ福家さんのところで見せてもらった
あの投資マンション、買おうと思って。
麻衣:!!
美咲:もちろんローンだし、シミュレーションで
すぐに毎月儲かるっていうのじゃないのは分かったけど、
独身最後の大きい買い物は、未来につながるものにしたいなって。
麻衣:そっか。…確かに、服とかジュエリーより、
ずっとミサキちゃんらしいかも。うん!いいんじゃない。
美咲:契約するとき、実際に物件も見とこうと思うんだけど、
もし時間あったらマイ、付き合ってくれないかな?
麻衣:私でいいの?もちろん喜んで!
美咲:ありがとう!これまで一緒に投資のコト、お金のコト
勉強してきたのはマイとだったし、最後はマイと見たかったの。
麻衣:最後だなんて…なんだかさみしくなるからやめてよ~
結婚しても友達だからね!(もう一度乾杯)
美咲:もちろん!ありがとね、マイ。(グラスを合わせる)
~第12話につづく~「ひとり立ちするために、いま私に必要なもの」