第8話「投資マンションを買った話~同僚紗良の場合~」
「意外な一面を発見!」~土曜pm14:00 紗良が住むマンション~
美咲:ごめんくださーい(ピンポーン)。
紗良:はーい。
美咲:こんにちは、お休みの日にごめんね。こちらルームメイトの不動麻衣さん。
麻衣:はじめまして。城山さんとは学生時代からの友人です。
今日は、ずうずうしくお邪魔しちゃってごめんなさい!
紗良:いえいえ。はじめまして、都築紗良です。どうぞ、入って。
美咲:ありがとう。……!(手土産を渡しながら、玄関を見て絶句)。
紗良:ああ、ごちゃごちゃしててゴメンね!
(中に招き入れながら)実は私、海外旅行が大好きなの。
麻衣:すごい。色んなものがいっぱいあって楽しいですね。
これかわいい!あ、コレも。とってもキレイ。
紗良:ありがとう。それはトルコのランプよ。
美咲:…なんだか意外で、びっくりしちゃった。
都築さん、そういうの職場じゃ話さないんだもの。
紗良:まぁ、年配の先生方も多いからね。
女性が一人旅なんて言ったら、心配されちゃうでしょ。
美咲:確かにそうかも。って、一人で行くんだ?!
紗良:そうなの。思い立ってふらっと行くのが好きなの。
麻衣:へぇ~。なんだかカッコいいですね。
紗良:ありがとう。で、今日はマンション経営について聞きに来たのよね。
美咲:あ、そうだった。
麻衣:どうしてマンションを買おうと思ったんですか?
紗良:う~ん、まず一つ目は、お金の使い道を考えたとき、
旅行が好きだから、定住する家を持つことにはあまり興味が持てなくて。
で、投資するにも、旅行中でも動向を見ていないといけない株はナシ、ってなって…。
麻衣:なるほど。
美咲:生命保険の代わりになる、って言ってたよね。
紗良:ああ、そうそう。最初は生命保険に入ろうと考えてたんだけど、
マンション経営のほうがよりお得感があるからね。
麻衣:それって、どういうことですか?
「終身生命保険 < 投資用マンション?!」
紗良:(資料を持ってきて)これが、私が加入を考えてた保険のパンフレット。
美咲:あ~、職場に営業の人が持ってきたやつだ。
麻衣:(読みながら)定期付終身保険ですね。
えっと、30歳で保険料が毎月16,000円。うん、これくらいならみんな入ってるイメージ。
美咲:万一の場合は3,000万円が保障されて、入院した場合は1日10,000円。
麻衣:それもCMでよく聞きますよね。
「♪にゅういん1日いちまんえん~♪」って。
美咲:万一の備えがないのは心配だし、実は私も入ろうか考えてた。
紗良:そうなのよね…でも、見て。保険料は定額じゃないのよ。
麻衣:あっ、ホントだ!40歳からは毎月21,000円、50歳からは33,000円。
10年ごとに1万円ちょっとずつ増えて、けっこうな負担ですね。
美咲:そういえば職場でも話してたわよね。
30歳になって保険料が上がったって。
紗良:それだけじゃないの。保障のところも、定期と終身部分に分かれてるでしょ。
麻衣:…3,000万円、満額保証されるのは60歳までなんですね。
美咲:60歳以降は終身部分の200万円のみ…。
紗良:60歳までの生存率は90%以上って言われてるの。
それまでに約1,000万円の保険料を払うのに、ほとんど掛け捨てになっちゃうのよ。
麻衣:うーん、これじゃあ老後が心配ですよね…。
美咲:でも、その代わりがどうしてマンション経営なの?
紗良:投資用マンションを買ったときも保険には入るのよ。
団体信用生命保険っていうんだけど。
麻衣:あ、それ兄のところで聞きました。
兄夫婦も最近投資用マンション買ったんですけど、もし自分に何かあったら
妻子にマンションが遺せるから、って。
紗良:素敵なお兄様ね。
それも団体信用生命保険、略して団信の特徴のひとつなんだけど、
もうひとつの側面が「補償額が住宅ローンの残高に比例する」ということなの。
美咲:それってつまり…?
「投資用マンションは老後の味方に」
紗良:今は買ったばかりだから、保障額はほぼローンの全額ね。
で、これから毎月ローンを払うにつれ、保障額は減っていくの。
もちろん何かあれば、保険会社が全額残債を払うということね。
麻衣:うーん、保障額が減っていくっていうのは、なんだか損な気が?
美咲:違うよ麻衣、ローンは払えば払うほどマンションが自分のものになるんだよ。
紗良:そうね。つまり、マンションが自分の資産になっていくの。
もちろん保険料もローンも、家賃収入から払う訳だけど…。
麻衣:そっか!ローンを払い終わったら、家賃がまるごと収入になるんですね!
美咲:それが老後の保障になるわけね。確かに保険の代わりになってる!
紗良:そうなの。安心がひとつできると、
老後は海外に住むのもいいかも、なんて考えちゃったり。
麻衣:いいですね!夢があってステキ。
紗良:私、今は旅行が楽しくて、結婚も特に考えてないから、
まぁ、投資用マンションが末永く付き合う伴侶みたいな存在かな?なんて…。
美咲:確かに、その辺の男性より頼りになるわね。
でも、ホントにずっと独身でいるつもりなの?
紗良:絶対に結婚したくないって決めてる訳じゃないのよ。
まぁ、自然にまかせて、独身のままでもまぁ悪くないなって思ってるだけで。
麻衣:結婚したとしても、しなかったとしても、老後の不安がないっていいですよね。
美咲:私は結婚したいなぁ。お母さんにもなってみたいし。
紗良:まぁ、価値観はいろいろだよね。
あ、でも、主婦で投資用マンション持ってる人もたくさんいるわよ。
麻衣:そうなんですか?
紗良:大学のサークルの先輩で、お勤めしてたけど、
去年結婚していま産休中の人がいるから、紹介してあげようか?
美咲:いいの?ゴメンねいろいろ…。
紗良:確か、独身の時にマンションを買ったんじゃなかったかな?
よく連絡をとりあってるから、メールしとくね。
麻衣:ありがとうございます!
~第9話につづく~「投資マンションを買った話~同僚紗良の場合~」