第2話「結婚しても、自分の収入があることは大事」

「ライフプラン、考えたことある?」~休日pm15:00 桜木町のカフェ~
美咲:あ、あれじゃない?お~い、久しぶり!
ミカ:わぁ久しぶり!ミサキとマイちゃん!変わらないねぇ。
麻衣:そういうミカちゃんは、キレイになったね、びっくりした。
ミカ:やだ、ありがとう!
美咲:そういえば結婚したんだよね、おめでとう!
麻衣:えっそうなの?相手どんな人?どこで知り合ったの?
美咲:ちょっとマイったら、そんな矢継ぎ早に…。
ミカちゃん、その話は今度改めて聞かせてね。
ミカ:そうそう、今日は投資について知りたいってことだったよね。
麻衣:投資ってだけじゃないんだけど…。
美咲:私たちも30歳になるし、
お金のこと知った方がいいよね、って話になって。
麻衣:貯金するとしても、実際いくら必要なのか分からないし、
そもそも貯金だけでいいのかな、とか。
ミカ:なるほど…。ところで、ふたりとも結婚は?
麻衣:え~そんな、ぜんぜんそんな話ないよ。相手もいないし。
美咲:私も今のところ、すぐには予定ないなぁ。
ミカ:そうなんだ…子どもは将来、何人くらい欲しいと思ってる?
麻衣:え、そんな。分かんないよ。…でも、ふたりくらい?
美咲:それって目標みたいに決めておくこと?
自然な流れにまかせるんじゃないの?
ミカ:ん~…ふたりは自分のライフプランって考えたことない?
麻衣・美咲:ライフプラン?
ミカ:出会いや結婚はもちろん、自分だけの力ではどうにもできないよ。
でもね、今は決まってなくても、
目標でもいいから考えておいた方がいいと思うんだ。
美咲:それって、32歳までに結婚、みたいなこと?
ミカ:それもそうだけど、第一子は何歳までに、第二子は…。
都心に住むか、地方の可能性もあるか、車や持ち家は買うかどうか、
親の介護の可能性は…っていう細かいところまでシミュレーションしてみるの。
それぞれ、かかるお金の金額とタイミングが変わってくるから。

「出産したとき、給料はどうなる?」
麻衣:そんなの、相手にもよるし、分かんないよ…。
美咲:…じゃとりあえず!今の彼氏と結婚するとして、ってコトで。
ミカ:うんうん、とりあえずでも、考えてみることが大切だよ。
で、かかるお金は、結婚式の資金にまず平均350万円※1ね。
麻衣:そんなにかかるの?私、結婚式しなくっていいかも…。
美咲:う~ん、私は田舎の親が期待してるから、やらない訳にはいかないかな。
ミカ:折半だと175万円。親からの援助が100万円あるとして、
ご祝儀分である程度まかなえるとしても、代金は先払いが多いので、
いろいろ含めて結婚式用として100万円は準備しておいた方がいいね。
私も、全く贅沢したつもりはないのに、どんどんお金がかかってびっくりしたよ。
美咲:100万円か…それくらいならひとまず大丈夫。
ミカ:お仕事は、結婚しても続けるんでしょ?
麻衣・美咲:そうだね。
ミカ:子どもを授かったらどうする?
美咲:できれば続けたいけど、子どもの側にもいてあげたいし…。
いったん辞めて再就職もいいな。ほかにやってみたいこともあるし。
麻衣:…そう言えば、産休・育休中ってお給料はどうなるの?
ミカ:私も気になって調べたんだけど、出産前6週間と後8週間の産休中は、
健康保険から出産手当金がでるよ。給料の約2/3くらい。※2
会社の制度にもよるけどね。
麻衣:そうなんだ…ほっ。
美咲:あれ、でも生後2か月までしか出ないんだね。そのあとは?
ミカ:申請すれば、雇用保険から育児休業給付金がもらえる。
生後半年はお給料のだいたい6割、それ以降で半額くらいかな?
基本は1歳までだったんだけど、10月に2歳までに改定されたはず。※3
麻衣:じゃあ、そんなに焦らなくてもいいかな?
育休中も収入がゼロになるわけじゃないし。
ミカ:でも、育休中といっても住民税は前年の収入に対して
かかってくるし、子育てだってお金がかかるんだよ~。
美咲:そっか、ベビーカーとか、色々必要になってくるしね。
ミカ:いったん辞めて再就職したくても、
保育園が見つからないから就職できない、
就職できないから認可保育園に入れられない
スパイラルに苦しむお母さんがどれだけいるか…。
麻衣:それ、よくテレビでもやってるよね。待機児童?だっけ。
美咲:保育園落ちた、ってブログが話題になったりね。

「投資って、結局のところなんなの?」
ミカ:しかも、さっき言った育休中の給付金は職場への復帰前提だから、
辞めちゃったら出ないんだよね…。
美咲:えっ、そうなんだ。
じゃあ安易に考えて辞めないほうがいいかな。
ミカ:もちろん、やりたいことをガマンしてまで
その会社にいる必要はないけど、タイミングは考えたほうがいいかも。
保育園も、無認可でもいい保育園はあるし、そこに入れたら仕事復帰もできるし。
麻衣:そういう選択肢もあるのか、なるほど。
ミカ:ただし、国の補助のない無認可保育園は保育料が高いから、
それを払っても仕事をする価値があるかどうかを、
収入とのバランスも含めて考える必要があるのね。
美咲:確かに、例えば15万円のお給料をもらうために、
保育料を10万円払って働くなら、5万円分は家計をやりくりして、
子どものそばにいられる方がいいかもって思っちゃうな。
麻衣:今の仕事を続ける前提なら、色々手当があることも分かったけど…。
美咲:子どもの成長を近くで長く見守りたいなら、
その間の収入や養育費も含めて、仕事のことを考えないといけないワケか…。
ミカ:それだけじゃないよ~。子どもには養育費がかかるから。
3歳から高校まで、すべて公立に通った場合は約523万円、
私立に通った場合は約1,770万円…。※4
麻衣:ふぅ~…(ため息)
ミカ:大学の学費が、国立平均年間673,700円、私立平均年間1,319,700円…。
美咲:それが、子どもの数だけ…。
なんだか私、親に申し訳ない気持ちになってきたよ。
ミカ:もちろん、マジメに働いて貯金することが大前提だけど、私たち女性はとくに、出産や子育てで働けない期間もあるし、大変だよね。
麻衣:そうだよね。不安…。
美咲:なんだか、落ち込んできちゃうな。
ミカ:大丈夫!そんな時、お金自身にも働いて、利益を出してもらう。
その考え方が「投資」なのです!
美咲:なるほど!それならなんとなく分かる。
麻衣:お金自身にも働いてもらう…か。
有効に使って増やす、ってことね。
美咲:そっか…私、投資のこともっと勉強したいな。
ミカ:それならまかせて!
私の元同期にも投資してる人多いから、いちど勉強会をセッティングするよ。
…あっ、ゴメン次の約束があるから、また連絡するね!
じゃっ!(伝票をつかんで風のように去る)
麻衣・美咲:……(あっけにとられる)。
※1 2016年全国平均 http://zexy.net/mar/manual/kiso_okane/chapter1.html
※2 正確には標準報酬日額の2/3×産休日数分
※3 厚生労働省HPより http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html
※4 文部科学省平成26年度「子供の学習費調査」の結果について
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/1364721.htm
~第3話につづく~「投資って、いろいろあるんだ」