VERITAS INVESTMENT
マンション経営・不動産投資をゆっくり知ってじっくり考える
ヴェリタス・インベストメントの[マンション経営ラウンジ]
0120-177-732お電話受付10:00~19:00(平日) 各種お問い合わせ

ゼロからのマンション経営 サクセスストーリー

season4

営業マンの成長ストーリー「マンション経営で人を幸せにしたい」

投資用マンション販売の新人営業マンが実際の現場での経験を通してマンション経営のリアルなメリット・デメリットを学んでいく成長ストーリー。どうすればマンション経営の良さを知って貰えるか、試行錯誤を繰り返しながら自分の営業スタイルを身につけ、念願の初契約を獲得する。

正真 泰司(しょうま たいじ)
正真 泰司(しょうま たいじ)

正真 泰司(しょうま たいじ)

投資用マンションの企画・販売・管理を手がけるフィデス・インベストメントの新入社員。就職活動のコンセプトは「成果主義で、若くても結果を出せば評価される会社!」で、不動産系から投資分野に志望を絞り、見事内定を勝ち取った。10社程度のなかから同社を選んだ理由は、圧倒的な物件の魅力と社長の人柄。自己分析は「情熱的だが不器用」。

第3話「お客様に寄り添うって?」

「なあ、いったいどこに向かってるんだ?」
都内の道を走り続けて15分ほど。車窓に水辺の風景が見えてくる。運河沿いの緑道のようだ。
「う~ん、この辺かな?ここからは泰司君がナビをしてくれた方がいいかも。よく知ってるでしょ?」
そういえば見たことある街並み。もしかしてここって・・・。
「もしかして、森下の物件に行こうとしてるの?」
「ばれちゃったね。あ!見えてきた。そこのパーキングに停めるから、ちょっと周りをぶらっと歩こうよ」
正直、休日まで仕事で関わっている物件を見たいとは思わない・・・はずなのだが、いま売り出し中の自社マンションの外観を眺めただけで、胸が躍り出すのを感じる。
「へぇ~、白と黒のコントラストがイイ感じ。バルコニーのガラス手摺りも、高級感あるね」
「そりゃ、いいタイル使ってるからね。投資用マンションは、住みたい!っていう人がこれからもずっと途切れないデザインも大事なんだよ。もちろん水まわり設備なんかも、そこらの賃貸マンションと比べモノにならないグレードのものが入ってるし、セキュリティーもしっかりしててさ、IoTで・・・」
そこで、ニヤニヤとこちらを見上げる安奈の視線に気付く。
「泰司君って、やっぱり仕事が好きなんだねぇ」
「いや、仕事っていうか・・・ホントにいいマンションだから、分かってほしくって」
「うんうん、分かるよ。だからこのあいだのお客様にも本気でオススメしたのに、気持ちが通じなかったって思ってショックなんだよね」
まるで心のなかを見透かしたようなことを言う。他の人に言われると腹が立つかもしれないが、長い付き合いの安奈だと納得してしまう。

「なぁ、さっきお客様のスペックしか見てないって言われたよな」
首を少しかしげながら、うなずく安奈。
「確かにそうかもしれない。いい物件がある!そしてそれを買える収入のある人がいる!そして僕も初めての成約!・・・この3つしか、基本的には頭になかったかも」
「そうだね。泰司君はそのお客様のこと、好きだった?人間的に」
「うん。ちょっと頼れる優しいお兄さんって感じで、いい関係は築けていると思っていたんだ」
「お兄さんか・・・ねぇ、私も仕事で色んなお客様と接するけど、自分の人間としての幅が狭いのを痛感することも多いの。結婚生活とか、子どものいる暮らしとか、親みたいな年齢の人がどうやってモノを選ぶのかなんて、想像もつかないことが多すぎて」
アパレル関係の仕事をしている安奈は、店舗に応援に行くことも多いというから、そのことを言っているのだろう。
「私が『最高にお客様に似合う!』って見立てたジャケットも、仕事帰りに子どもを迎えに行って、抱っこひもで形が崩れちゃうから、って結局無難なモノを選ばれたりね。抱っこひもなんて、使ったこともないから分からなくて」
「そうだよね。僕も婚約者に怒られるっていうのが、最初は納得いかなかった」
「でも、自分の経験値に関係なく、その人のバックグラウンドを含めておすすめしないと、いくらいいものでも、お客様に寄り添うってことにはならないんだよね。しかも、泰司君の売っているものは一生の買い物でしょ」

安奈の言葉がすっと入ってくる。確かに、その人の人生を背負うくらいの覚悟で話していたら、婚約者のことも自然と話題に出てきただろうし、結婚後の人生も含めてシミュレーションしていただろう。
「お兄さんなんて言って、自分の立場から抜け出せていないようじゃダメなんだな。婚約者の人がどうこうじゃなく、そこまで踏み込めていなかった自分がいけなかったんだ」
『この人に言っても、まだ若いから分からないだろうな』。お客様に、無意識でもそんな風に思わせてしまったのだと今さらながら反省する。
弟気分じゃ、山上様と仲良くはなれたとしても、一生ものの信頼には結びつかないだろう。
ああ、もっと自分の幅を広げたいし、経験のないことでも話してもらえるようになりたい。

「・・・さぁ、シリアスな話はここでおしまい!せっかくだから森下から清澄あたりをブラブラしようよ。この辺ってコーヒーの聖地って言われてるんでしょ。あっ、かわいいカフェ発見!」
思いつめた表情の僕を振り返りもせず、すたすたと歩きだす安奈。
待ってくれよ、と追いかけながら、心の中で思いついたことがある。
安奈の切り替えの早さに振り回されることも多いが、今回は救われたみたいだ。

「おかえり。晩ごはんは食べてきたんだっけ?」
22:00。お互いに明日も仕事だから、ということで早めに解散し、帰宅。
母が珍しく起きており、日本茶を淹れてくれる。
「そんなのいいのに。もう寝るんじゃないの?」
ちょうど自分も飲みたかったから、と置かれた湯飲みを前に、今日思いついたことを母に切り出す。
「あのさ、一人暮らししようと思うんだ」
「あら、どうしたのよ急に。せっかくここからも通える会社に入ったのに」
「うん、家がイヤってわけじゃないんだ。でも、つい甘えてしまう自分がいるから、環境を変えてみたくて」
実家を出たところで仕事に影響するかなんて、正直なところは分からない。でも、できることは全部やりたいから、安易かもしれないけれどまずは第一歩、という気持ちだ。
「でも、仕事が忙しいなら余計、実家の方がゆっくりできるんじゃない?一人暮らしって、思ったより大変よ」
「多分、そうなんだろうなと思う。大学も職場も実家から通えるって、すごく恵まれているのは分かっているよ。でも、自分の住む家を探したこともない人間にマンション経営を進められるなんて、自分だったらイヤだなって」
『自分の経験値に関係なく、お客様に寄り添えるようになりたい』と安奈は言っていた。でも、それは経験値をあげる努力をしなくていいってことじゃないはずだ。
「泰司は昔から、言い出したら聞かないからねぇ。もう大人なんだし、自分で決めたんだったら好きにすればいいよ」
そう言いながらも寂しそうな母の笑顔に、少しだけ胸が痛んだ。

おやすみを言い合って自室に入り、着替えてパソコンのスリープモードを解く。
よし、さっそく自分の物件探しだ。
はじめての経験に、ワクワクしている自分がいた。

~第4話につづく~

back number