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マンション経営・不動産投資の気になる!アレコレコラム
2016.07.17

意外と簡単? 不動産投資で知っておくべきIRRについて

IRR

 みなさんは、不動産投資における「IRR」という指標をご存知でしょうか。

 IRRを意識するのと意識しないのとでは、物件の選定基準やその後の経営結果が大きく変わります。今回はこのIRRについて解説します。ぜひ、現在の所有物件や投資候補の物件に当てはめてみてください。

IRRとは投資してから売却までの「実態利回り」

 IRR(内部収益率)とは、将来にわたって得られる利益や損失を、現在価値に置き換えた場合の投資対象の実態利回りのことを言います。こう書いてしまうと、少し難解かもしれませんが、マンション経営におけるIRRの意味は、簡単に言うと「投資してから売却するまでの実態利回り」ということです。

 不動産投資における「利回り」には、「表面利回り」と「実質利回り」があります。表面利回りは年間の想定賃料収入を物件価格で割った値で、現在の都内の新築マンションでは4~5%といった物件が多いです。一方、実質利回りは、想定賃料収入から固定資産税、管理費、修繕費といった経費を引いて計算する必要があります。この場合、同じく都内の新築マンションだと3~4%になります。

 さらにIRRでは、上記の経費に加えマンションの減価を考慮します。例えば、マンションを20年後に売却すると想定した場合、20年間のマンション価値の減価を考慮しなければ、本当の意味での投資利回りは算出できないからです。

※改ページ「IRRの算出方法や効率のいい方法は」

IRR算出の具体例

 IRRは、次の計算式から算出できます。

0=C0+C1/(1+r)1+C2/(1+r)2 +C3/(1+r)3 …Cn/(1+r)n 
C0=投資額
C1=1年目のリターン
C2=2年目のリターン
C3=3年目のリターン
Cn=n年目(売却する年)のリターン
r=IRR(実態利回り)

※実際に計算を行う場合は、「Microsoft Excel」のIRR関数を使うと簡単です。C0~Cnを連続したセルに入力し、IRR(C0~Cnを入力したセル範囲)で算出できます。

 例として、2,500万円の新築マンションを、賃料11万円で賃貸し、20年後に1,800万円で売却した場合のIRRを算出してみます。(諸経費はすべて込みで月額2万円と仮定します)

【計算式】
毎年のリターン=(11−2)×12=108(万円)
0=−2,500+108/(1+r)1+108/(1+r)2 +108/(1+r)3 ………(108+1,800)/(1+r)20 

 上記の計算式が成立するr(実態利回り)を算出すると、3.3%となります。

 ちなみにこの物件の表面利回りは、(11×12)/2,500=5.28%です。ここで確認すべきことは、「実態利回りは、表面利回りよりも低くなる」ということではなく、将来的な価値が下がりにくい対象に投資して、継続的な安定経営ができなければ、マンション経営は成功しないということです。

IRRを悪化させる要因

 マンションの価値は、立地や賃貸需要、建物のメンテナンス状況によって大きく変わります。立地が考慮されていないマンションは新築時に入居者がいても、継続的な安定した経営は難しいです。安定した経営ができないとIRRは下がります。また、メンテナンスを怠っているマンションは、賃料の下落を招きますし、建物自体の価値も大きく下落します。こちらもIRRを下げる要因になります。なぜなら、IRRは上述の計算式の通り、投資を開始してから年々得られる収益や、売却時のマンション価値から算出する実態利回りだからです。

 目先の価格や利回りだけにとらわれず立地や賃貸需要を分析し、メンテナンスがしっかりされているマンションを購入することがマンション経営の秘訣なのです。

IRR効率の良い投資とは

 IRRを高める投資方法として、銀行から融資を受けての不動産投資という方法があります。実際に、サラリーマンの方など多くの方が融資を受けてマンション経営を行っています。

 先ほど例に挙げたマンションを、投資額(頭金)700万円、残りの1,800万円を、金利2%、返済期間30年の融資を受けて購入する場合、実態利回りは9.0%になります。自己資金に対するリターンを考えると、レバレッジを利かせた、非常に効率の良い投資となります。

 自己資金以上の投資に抵抗がある方がいるかもしれません。しかし、不動産経営は株式投資などに比べてリスクの低い投資に位置付けられており、多くの人が銀行から融資を受けて、人口の増減や賃貸ニーズに合った物件を購入し、効率の良いレバレッジ投資を行っています。年間2%の物価上昇を政府が目標としている今、すべての資産を銀行預金にしておくことは、逆に一つのリスクといえます(現金の価値が年間2%低下することと同じであるため)。資産分散という観点からも、その一部を現物として保有しておく選択肢も十分にあるのではないでしょうか。

 IRR(内部収益率)とは売却までを考えた投資に対する利回りのことです。

 目先の安さや利回りだけを追い求めて、賃貸需要や建物の減価を意識せずに物件を購入するとマンション経営は失敗します。一方、都心部など好立地エリアの新築マンションは、表面利回りは小さくとも長期的に賃貸需要や建物価値が維持されるため、IRRが高く将来的に安定した経営が期待できるでしょう。

 いずれにせよ、継続して安定した運営ができるのか、将来的なニーズを意識して建設された物件なのか、購入する際にはじっくりと吟味してください。

(写真=PIXTA)

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