
収益物件とは?投資マンションの利回りや空き室対策、ローンについて
ここ最近、サラリーマンの間でも投資用のマンションを購入して、給与以外の副収入を得ようという人が増えています。居住用ではない、収益物件としてマンションを選ぶ際には、注意すべきポイントがいくつかあります。こうした投資用のマンション選びの注意点について解説していきます。
収益物件とは?
収益物件とは、居住目的ではなく長期的な投資目的で所有する物件です。ここでいう収益とは、マンションなどを第三者に賃貸して得られる「賃貸収入」になります。
また、マンションの価格が購入時より上昇すれば、売却により得られる売却益もあります。
不動産の収益物件としては、マンション以外にもアパートがありますが、アパートは1棟単位で投資することが多いのに対し、マンションは1部屋ごとに区分所有とすることができるので、投資金額を抑えられるというメリットがあります。
また、1部屋のみを賃貸に出すので、リフォームや内装の手間もさほどかからないのもメリットです。
収益物件の空き室と利回り
収益物件は、安定して賃貸収入が得られるものでなければなりません。そのためには、空室が出にくい物件であることが大事です。
また、投資目的で所有している限り、投資効率を表す「利回り」が高いことも重要です。では、具体的に「どんな物件に空室が出にくく」、「利回りが高い」のかを見ていきましょう。
「空室が出にくい物件」とは
空室が出にくい物件とは、人気が高い物件です。まずは駅からのアクセスが良いこと。具体的には、駅から徒歩10分以内の物件です。他には「通勤に便利な路線が通っている」「買い物に便利なスーパーやコンビニがある」といった条件があります。
収益物件を決める際には、現地調査を行って物件そのものだけでなく、周りの環境もよく把握しましょう。その上で、物件の管理がしっかりしており、新しい設備が整っているかどうかを確認しましょう。
マンションの場合、管理費が高めに設定されているケースが多いため、その管理費に見合うサービスを賃借人に提供できるかどうかもポイントです。例えば清掃が行き届いているか、クレーム対応の体制ができているか、設備の修繕や点検をしっかりと行っているかなどです。
特に賃借人として独身女性を対象としている場合は、セキュリティ対策のためのオートロックや防犯カメラなどの設備が必須です。これらが重要な要素になります。
関連記事:空室率を下げるためにマンションオーナーがすべきこととは?
「高い利回りが期待できる物件」とは
マンションの収益物件の指標に「利回り」があります。利回りには、表面利回りと実質利回りの2つがあります。
表面利回りとは、マンションの物件価格に対する年間の賃貸収入の割合です。また実質利回りとは実質の物件価格に対する実質の賃貸収入の割合で、その収益物件の利回りが高いかどうかの基準はこちらの実質利回りを基準とします。
ここで言う「実質の賃貸収入」とは、毎月の家賃から管理費などのコストを差し引いた年間収入の総計です。毎月の家賃を高めに設定できれば、実質の賃貸収入も引き上げられます。そして、この年間収入から、固定資産税、都市計画税などの税金を差し引きます。
固定資産税や都市計画税は3年に1回の割合で見直され、決定された価格は原則として3年間据え置きとなります。また「実質の物件価格」とは、物件の購入価額に不動産業者への仲介手数料、不動産取得税、登録免許税などの諸費用を加算した価格になります。
これらの諸費用は不動産価格から決まるので、金額を抑えるのは難しいでしょう。また、中古マンションを収益物件とする場合には、部屋の模様替え、リフォーム費用なども必要になりますので、気をつけてください。
収益物件のローン
収益物件におけるローン(融資)とは、銀行を含めた金融機関から、不動産投資に必要な資金を借りることを指します。
収益物件のローンは、居住用の住宅を購入するための一般的な住宅ローンとは違う「投資用ローン」となります。住宅ローンの金利は1%以下のものが多いですが、投資用ローンは1〜4%で住宅ローンと比較して金利は高めです。
金融機関によって金利や借入可能額、審査条件は異なります。不動産投資では、ローンの金利や返済額を加味して、収益性を考えなければいけません。
初めて不動産投資をする方のなかには、物件選びを重視するあまり、投資用ローンを組む際の金融機関をあまり吟味せずに決定してしまう方が多くいらっしゃいます。融資や金融機関の情報をあらかじめリサーチし、ローン戦略を考えておくことが収益物件購入で失敗しないための方法でもあります。
また、今後複数の投資物件を所有していこうと考えている方にとっては、使う金融機関の順番も大切なポイントです。「審査に通りやすそうな銀行」「金利の低い銀行」というだけで選ぶのは危険です。住宅ローンの借り入れをしていない場合、投資用ローンを先に借り入れた方が、その人の融資枠を最大限活用し、投資が始められます。
不動産投資におけるローンは、「どの金融機関で」「どの順番で」「どんな組み方で」借り入れを行うかがとても重要です。
関連記事:不動産投資ローンを組んだ時の心構え 問題はローンの金額ではなくキャッシュフロー
収益物件のリサーチ方法
1)インターネットを利用する
収益物件をリサーチ方法として、多くの人が使っているのが、インターネットの不動産の物件検索サイトです。立地、間取り、利回り、価格などあなたの希望条件を入力して検索すれば、該当する物件候補を見ることが出来ます。このエリアの、こんな物件は、これくらいの価格で売りに出ているという情報を入手する上で、インターネットの利用価値はあると思いますが、それだけで魅力的な収益物件が見つかると思うのは早計です。
2)不動産会社から紹介してもらう
多くの人が見逃しがちですが、投資において「時間」はとても重要です。良い収益物件を短期間で見つけて出来るだけ早く投資すればするほど、あなたが手にできる収益は増えます。そう考えると、その道の「プロ」である不動産会社に物件を選んでもらうという方法も有効です。不動産会社には、あなたが知らない不動産の情報がたくさん集まっています。希望条件を伝えて、候補をピックアップしてもらい、一緒に見ながら説明してもらってみてはいかがでしょうか。
なお不動産会社には、物件によって「仲介」と「売主」という二つの立場があります。仲介とは、売主とあなたの間で売買契約の仲立ちをし、その代わり仲介手数料を取ります。売主の場合は不動産会社が売買契約の直接の相手となり、仲介手数料はかかりません。不動産会社は直接物件を販売する場合、物件の欠陥や瑕疵(かし)担保の責任を2年間負うことになります。そういう意味でも、きちんとした収益物件を探してくれるはずです。本業の仕事が忙しいあなたのリサーチ方法としては、こちらのほうが、むしろ適しているかもしれません。
関連記事:マンション経営の情報収集。成功するための4つの方法
収益物件を選ぶ際には情報収集が大切
収益物件としてのマンション選びでは、第一段階として、インターネットの不動産サイトで情報をこまめにチェックする事から始めましょう。そして次の段階では、狙いを定めたエリアで物件を販売する不動産会社に直接コンタクトをとって紹介してもらい、実際に現地調査し周辺環境を確認して下さい。そこで人の流れや人気がありそうな街かどうか、近辺の家賃の相場、競合物件がどの程度あるなどを直接調べます。その時には、今回お伝えした内容を念頭に調査してみてください。
(写真=PIXTA)
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