
不動産投資のメリット6つ
株式、投資信託、国債、外貨預金、FXなど、世の中にはさまざまな金融商品があります。そうした中、不動産という現物に投資する「不動産投資」には、どのようなメリットがあるのでしょうか。今回は、不動産投資で特に大きいと思われる6つのメリットについて解説していきたいと思います。
メリットその1:家賃での安定収入
不動産投資で最大のメリットは、なんといっても「家賃」による安定収入です。労働の対価である給与所得とは異なり、家賃収入は所有している不動産という資産を元手に生み出されるので、「不労所得」と呼ばれることもあります。賃貸管理を自分で行う場合は、家賃の回収や設備が故障した時の修繕手配など自分で行う必要がありますが、通常の場合こうした業務は管理会社に委託するので、日常的な対応はほとんど必要がありません。このように自分が働かなくても、自分の「資産」から毎月一定額の収入が得られることが、不動産投資の最大の魅力なのです。
メリットその2:赤字の場合は税金が戻る
不動産投資をした場合、毎年必ず収支について確定申告を行います。もし、不動産所得が赤字となってしまった場合、その分を他の所得から差し引く「損益通算」ができるのです。もしあなたがサラリーマンで給与所得がある場合、源泉徴収で事前に納めていた給与所得に対する税金から、不動産所得で赤字になったことで減額される分を確定申告後に還付してもらうことができます。このように節税に役立つというメリットがあるのです。
メリットその3:少額の自己資金でスタートできる
一般的に「投資」をするためには、ある程度の自己資金が必要です。投資のための資金を蓄えるまでに時間がかかったり、そもそも資金を準備できなかったりするケースもあるので、興味があっても、実際にやるまで踏み込めないという人が多いのではないでしょうか。しかしながら、不動産投資の場合、購入する不動産自体を担保にして銀行からお金を借り入れることができるため、一定の収入がある人であれば頭金以外はローンでまかなうことができます。こうした敷居の低さも不動産投資のメリットでしょう。
メリットその4:年金や生命保険の代わりになる
例えば、30代前半で不動産投資を始め、期間30年のローンを借り入れた場合、順調に支払い続ければ65歳までにローンは完済します。ある意味、ローン完済後の家賃収入は「個人年金」の代わりと言えるでしょう。国が支給する年金の支給開始が遅れ支給額が減っていく可能性が高い今、安定的な老後の収入源を確保できることは非常に魅力的です。
また、ローンを組む際に「団体信用保険」に加入していれば、万が一あなたが病気や事故でローンを完済する前に亡くなっても、残りの債務は 保険が帳消しにしてくれます。それ以降、残された家族は、家賃収入をあなたの「遺族年金」代わりに毎月受け取ることもできますし、不動産を売却すれば、その売買代金が、あなたの「死亡保険金」の代わりになります。このように個人年金や保険金の代わりにもなりえるところが、不動産投資の魅力の一つです。
メリットその5:贈与税や相続税の節税効果
日本では、生前に財産を贈与した場合は「贈与税」が、死後に相続した場合は「相続税」が課税されます。仮に1億円の資産があった場合、それが現金1億円なのか、1億円で購入した不動産なのかによって、生じる税金が大きく変わってくるのです。現金1億円の場合は、1億円の評価で税金が計算されます。しかし、1億円を投資した不動産は、その不動産の評価額に対して税金が計算されます。不動産の課税評価額は、実際の価値よりも低く評価されることが多いため、同じ1億円でも贈与税や相続税で、節税効果が見込めるのです。
具体例で考えてみましょう。例えば、現金1億円でマンションを購入したとします。マンションと言う資産は、土地と建物から構成されており、仮に土地代4000万円、建物代6000万円という内訳だったとすると、贈与税や相続税の課税評価額は以下のようになります。
その1:土地の評価額
土地の評価額は、国税庁が発表する路線価によって計算します(路線価方式)。この路線価は公示価格(およその時価)の80%程度のため、土地代が実際に4000万円だとしても評価額は3200万円に引き下げられます。
その2:建物の評価額
建物については、「固定資産税評価額」をベースに考えます。固定資産税評価額は、その建物が所在する市区町村に問い合わせると確認できます。だいたい時価の6割程度といわれています。つまり、建物代が6000万円とすると3600万円が評価額となります。
この通り、現金1億円が不動産になると、その価値は課税表価額で6800万円まで引き下げることができます。また、不動産の場合、景気動向によっては購入後に時価額が値上がりすることもあり得るため、そうなればさらに節税効果があるといえます。
メリットその6:売却による収益
1980年代後半からの「バブル」の頃は、買ったばかりの不動産を数日後に転売して、大儲けするようなことも珍しくありませんでした。「安く買って、高く売る」のは商売の基本です。不動産ならではの特長は、「安く買って」から「高く売る」までの間に、「家賃」という固定収入が入ってくるところでしょう。その期間に安定的な収益が確保できるため、売却で利益確定することを急がずに、じっくりと高値になる「売り時」を待つことができるのです。最近のマンション市場は、2020年の東京オリンピック効果もあり、都心部での価格が上昇傾向にあります。不動産投資は、こうした売却益が見込める時期に物件を売却して、投資利益を確定(エグジット)するという選択肢もあるのです。
不動産投資のメリットを活かすためには
このように不動産投資には大きく考えて6つメリットがあります。ただし、不動産投資を始めれば、誰もが簡単にすべてのメリットを享受できるわけではありません。
○ 投資する物件の選定
○ 購入後の賃貸経営
○ 適切なタイミングでの売却
これらが上手く行った時に、初めてそのメリットが発揮されるのです。ですから、不動産投資を成功させるには、自分自身で不動産について勉強したり、これらの情報を得るために努力したりするのと同じぐらいに、本当に信頼できるパートナー(不動産会社など)を見つけることが重要になるのです。
(写真=PIXTA)
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