
2016年東京圏の住宅地価格上昇ランキング! 最新公示地価から分かる傾向とは?
国土交通省による公示地価(全国の地価動向)が、2016年3月に発表されました。
東京・大阪・名古屋の3大都市圏では、インバウンド効果で外国人観光客が急増した影響により、商業地の地価上昇が特に目立ちました。住宅地は、3大都市圏のトータルで0.5%上昇という微増に留まっています。また、東京圏は0.5%から0.6%とわずかながら2015年よりも上昇し、堅調な動きとなりました。
今回は東京圏の住宅地の変動率上位順位表をもとに、人気の住宅地や近年の傾向について解説します。
23区すべての住宅地で地価が上昇。都心3区は圧倒的人気
東京の住宅地の地価上昇率は2.8%で、2015年から0.9%のプラスとなっており3年連続で上昇しています。また都心だけではなく、23区すべてで2015年よりも地価が上昇しました。
中でも圧倒的な人気を誇る3区(港区、中央区、千代田区)は、港区6.3%、中央区9.7%、千代田区9.4%と、高い地価上昇率を示し、東京圏の変動率ランキングの上位10位中9位を占めました。このランキングでは、1位の港区南麻布、2位の港区赤坂、3位の中央区月島と、国内外の投資家からも特に人気の高いエリアが、上位にランクインしました。
東京オリンピック後に新たな街として生まれ変わる中央区
平成28年地価公示「住宅地の変動率上位順位表」の上位半数を占めた中央区は、タワーマンションなどが多く立ち並び、以前から人気のエリアです。さらに2020年の東京オリンピックで選手村となる晴海地区では、オリンピック開催後の整備計画が発表され、2016年4月から基盤整備工事が始まりました。高層マンション2棟とマンション21棟が建設されることが決まっており、計4年の工事期間を経て、新たな街が誕生します。保育所や高齢者向け施設、商業施設なども作られ、同エリアは最大1万2,000人が居住する予定です。
また、中央区は築地市場などがあり、投資家はもちろん外国人観光客からの人気も高く、世界的に認知されるような国際都市を目指し都市計画が進められています。
城南エリアや都心・中心部のエリアは好調維持、郊外の新築マンションも人気
都心3区以外では、以前から不動産投資家に注目されている目黒区、品川区、大田区などの城南エリアも、根強い人気を誇っています。
2015年の地価と比較すると、目黒区では2.9%から6.9%と大きく上昇しました。品川区は同様の4.3%、国家戦略都市に指定され民泊が解禁された大田区は、1.8%から2.9%に上昇し、好調を持続しています。その他にも、新宿区や豊島区、杉並区や世田谷区などのエリアも変わらず高い人気を示しています。
また、郊外の八王子市では地価は下落しているものの、高尾にある新築マンションが即日完売したそうです。始発駅から通勤・通学ができ、駅前の施設なども充実しています。何より「価格が安い」という点が、都心の高額マンションに手が出ないファミリー層や若い世帯などに人気となったようです。
東京都以外の関東圏では、都心からのアクセスがよく通勤・通学に便利なエリアに人気が集中
東京都以外の関東エリア(東京圏)では、どのような地区の人気が高いのでしょうか。
埼玉県では、2015年3月にJR上野東京ラインが開通し、11月には浦和駅高架下に商業施設がオープンした浦和区の住宅地の地価が、1.4%から2.2%に上昇しました。その他にも、東京までのアクセスが便利な中央区や南区で、地価が上昇傾向にあります。
神奈川県では、全体では0.1%と微増ながら、3年連続で住宅地の地価が上昇しています。中でも武蔵小杉駅がある中原区は、地価変動率こそ2年連続で2.0%と変化はなかったものの、2008年に高層マンションが建設されたのを皮切りに人気が高まり、現在では「住みたい街ランキング」などで上位に選ばれています。
千葉県では、成田市が0.2%から1.4%に急上昇しました。成田市は2014年に国家戦略都市に指定され、都市再生が行われていることに加えて、2017年に国内38年ぶりの医学部新設が決まった国際医療福祉大学があります。その成田市公津の杜は、東京圏の住宅地地価変動率ランキングで、都心3区以外では唯一10位以内(5位)に入りました。
その他、住宅価格が安く都心まで高速バスで1時間程度の距離にある木更津市や君津市なども、地価は上昇傾向にあります。
まとめ
東京では、都心3区を中心としたエリアの人気は根強く、少なくとも東京オリンピック開催までは、現在の好況が続いていくでしょう。3区以外でも、東京23区内の地価は上昇傾向にあり、人気のエリアを中心にこの流れは2017年も続くと思われます。また、郊外や東京以外のエリアであっても、鉄道などの交通インフラが整い都市再生などに力を入れている場所の地価は上昇傾向にあります。
その一方で例えば、交通の便が悪く高齢化が進む神奈川県の三浦市は、地価下落率6.0%の大幅下落となりました。今後さらに人気地区とそうでない地区の二極化が進むと予想されます。
(写真=PIXTA)
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