
ペット可のマンション経営はハイリスク?
ペット可のマンション経営はハイリスク?ペットブームと言われて久しく、今では広く生活に溶け込んでいる影響もあり、最近はペットの飼育を認めるマンションも増えてきています。大手賃貸業者のHPから独自に集計すると、都心部ではペットの飼育を認めている物件は約15%となり、比率としては少ないものの増加傾向にあるようです。
ペット可マンションの経営が人気な理由は?
日本ペットフード工業会の調査によれば、2019年10月現在、日本国内で飼われている犬の数は約879.7万頭で、猫の数は約977.8万頭とされています。飼育のきっかけとして「生活に癒し・安らぎが欲しかったから」という理由が、犬が35.9%、猫が31.8%と、ともに多数を占めています。忙しい生活の中で、ペットに安らぎを求める人が増えていることから、ペットの飼育が可能なマンション物件を探す人も増えてきています。
そうしたニーズに応え、近年ではペットの飼育を認めるマンションが増加しています。通常、ペット可のマンションは家賃が高めに設定されていることが多いようですが、ペット飼育禁止のマンションが大半を占める中で、多少家賃が高くともペット可のマンションの人気は高い状況です。
ペット可マンションを経営する前に確認しておくべきポイント
「ペット可」マンションが増えているなか、「ペット共生型」と呼ばれるもマンションも増えつつあります。どのような違いがあるのでしょうか。
<ペット可>
管理規約でペット飼育を認めているマンションのことをいいます。ただし、ペットの種類や大きさなどが決められている場合が多いです。
<ペット共生型>
ペットの飼育を前提にして建てられており、ペット専用の設備が充実しているマンションのことをいいます。部屋にペット専用のくぐり戸や敷地内に屋外の共有足洗いスペースがある場合もあります。
では、これらのマンション投資のメリットとリスクを考えてみましょう。
ペット可のマンションを経営するメリットとリスク
ペット可マンションのメリットは、入居率が高まる可能性があることです。ペット可マンションが増えてきているとはいえ、まだ供給不足であるといえます。そして、一度住むとまた新たな物件を探すのが大変だということで、長期の契約となる可能性があるのです。ペット可とすることは、競合に差をつけることができるアピールポイントとなります。
ペット可のマンションを経営するリスクは、室内にペットの匂いがついたり、ペットが部屋の壁や柱を引っかいたり、床を走り回ったりすることにより、部屋がダメージを受けやすく原状回復費用が高額になりやすい点です。また、ペットを飼っていても「猫は好きだが、犬は苦手だ」と考える人や、同じマンション内にはペットを飼っていない人などもいます。住人間の考え方の違いから、ペットが原因で何らかの問題が起きてしまう可能性もあります。
ペット可マンションの経営を成功させるコツ
ペット可にすることで空室対策につながる!と言うことを鵜呑みにして対策せず経営に着手すると思わぬトラブルに発展する恐れがあります。
ここからはペット可マンションを経営するコツをご紹介しましょう。
ペット規約を作成する
スムーズな運営を行うためには、決まりをきちんと作っておくことが重要です。
よくあるペット規約の内容として、
- 飼育可能なペットの頭数
- ペットの種類(大型犬・爬虫類・鳥類など)
- エレベーターなどの共有部での禁止事項
- トラブル発生時の対応方法飼育方法(繁殖の可否・毛の手入れ場所・ゴミ捨て方法・排水口
などが挙げられます。これらの細かい条件を記した同意書を作成し、契約の段階で同意してもらうことがペット可マンションを経営する絶対条件となります。
退去費用や敷金礼金の上乗せに関する特約を設ける
ペット可の物件では通常の物件よりも原状回復費用が多くかかるため、退去時にトラブルになるケースがあります。
そのため敷金や共益費を少し高めに設定し、修繕費用に当てることを入居者に説明しておきましょう。
また、修繕箇所や、ハウスクリーニング代、消臭消毒費用など、どこまで入居者が負担するのかも、特約として契約書に記載しておくことをおすすめします。
まとめ
少子高齢化に伴い、今後、賃貸市場全体としては供給過多になっていく傾向にありますが、都内では人口流入が続き、当面、単身者の世帯が増えていきます。犬や猫を飼うきっかけが、「生活に癒し・安らぎが欲しかったから」という理由が最も多いことを考えると、単身者にとってもペットの飼育が可能であることは、入居を決める際の魅力の一つとなりえるでしょう。
今後、都内で需要が増える単身者向けに、差別化の要素としてペットの飼育が可能なマンションへの投資を検討してみるのもよいかもしれません。すでに投資用マンションを所有している場合は、管理規約を確認した上で、ペットの飼育可の賃貸物件とする選択肢もあるでしょう。
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