
マンション売却の注意点!失敗しないための6つのポイント
保有している投資用マンションを売却するときは、どのような点に注意すればよいでしょうか。投資用マンションの売却は、住宅用マンションの売却と異なるいくつかの注意点があります。以下では6つの注意すべきポイントを解説します。
マンション売却の注意点早見表。失敗談から学ぼう
以下に、マンション売却をする上で注意しておきたいポイントを表にまとめました。
具体的な内容はのちほど解説しますが、まずは簡単に確認してみましょう。
マンション売却に失敗する人の多くは、重要度の高い上記項目のいずれかができていない傾向にあります。
各項目の詳細をこれから詳しくお伝えしていきますので、特に「重要度:高」の項目についてはしっかりと目を通しておきましょう。
マンション売却の注意点。見ておきたい6つのポイント
1. 売却にベストなタイミングを見極める
投資用マンションは住宅用マンションと違い、入居者がいれば毎月の賃料収入があります。そのため、特別な理由がない限り、売却のタイミングは慎重に判断するべきです。周辺の類似物件の賃料や利回りを確認して、保有するマンションの価値が相場より下がっていないか、適正な売却金額はいくらなのか、売却後にローンが残ってしまわないか(残債割れ)など、現在のキャッシュフロー、ローン残高を考慮した上で判断してください。長期的な観点から収支の改善策を実行すれば、今すぐに手放さず将来に売却した方が最終的に得をする可能性があります。
2. 入居者がいる状態で売却する
投資用マンションは、入居者がいる状態で売却することをお勧めします。収益物件を探している人にとって、購入したその日から家賃収入が約束されている事は、非常に魅力的に映ります。空室状態では家賃収入もなければ入居者が入るかどうかも不透明なので、利回りに見合わない安値で売却する事になってしまうかもしれません。もし売り出し中に入居者の退去が決まった場合は、不動産会社に連絡して対策を取るようにしましょう。
なお、売却の際は、現入居者の属性や退去時期にも注意が必要です。例えば、入居者が大学生で最終学年であれば、卒業に伴い引っ越す可能性が高くなります。そのような時期にマンションを売り出すと、途中で退去される可能性があります。また、買主は現入居者の属性を気にすることが多いので、どんな人が住んでいるかをきちんと知らせた上で、安心して買ってもらえるようにしましょう。入居者が退去すれば、室内の修繕が生じる可能性もあります。その場合、買主が負担するのか売主が負担するのか、トラブルにならないように明確にして交渉を進める必要があります。
3. 投資用不動産に精通した不動産会社を選ぶ
不動産会社への問い合わせは、情報収集を行ってからにしましょう。不動産会社といっても、それぞれに得意、不得意な分野があり、一般の居住用の住宅の販売や仲介の経験は豊富でも、投資用不動産となると扱いがなく、詳しくない不動産会社も少なくありません。
投資用マンションは、価格の査定方法も一般的な住宅用の不動産とは異なります。付き合いのある不動産会社が投資用不動産に詳しければ良いのですが、そうではない場合、単に付き合いがあるからとか、大手だからとかいう理由で売却を依頼するのは、あまりおすすめできません。
物件売却の際にはあなたのパートナーになるわけですから、投資用物件を専門に扱っている会社や、売買に慣れている会社の中から信頼できる相手を選ぶようにしましょう。
4. 売却査定は複数社に依頼する
不動産会社には、マンションの売却価格の査定を依頼します。価格査定のノウハウは、不動産会社によって異なります。売主として相場を知り、パートナーとなる良い不動産会社を選定するためにも、査定は1社ではなく複数社に依頼することをおすすめします。
投資用マンションの推定売却価格の算出方法は、一般住宅用マンションと異なります。住宅用マンションの査定価格は「取引事例比較法」をもとに算出しますが、投資用マンションを購入する人は利回りを見ているため、「取引事例比較法」に加えて「収益還元法」という方法を併用して査定額を算出します。査定価格の算出方法は以下の通りです。
年間家賃収入÷表面利回り=査定価格
このように、年間家賃収入と表面利回りをもとに算出されていることが一般的ですが、投資家の中には純利益と実質利回りを算出して、シビアに物件を比較検討する方もいます。また、査定価格が提示されたらその根拠について説明をしっかり聞き、ローンの残債だけでなく諸費用も計算に入れて、その価格で売却しても収支がマイナスにならないかよく検討しましょう。
5. 売却にかかる費用を把握しておく
売却時には不動産会社に支払う仲介手数料、残債がある場合、その残債分の費用、繰り上げ返済手数料などがかかります。こうした諸費用や税金を含め、費用項目と概算を把握しておく必要があります。
◯ 所得税及び住民税
マンションが取得した時の金額より高く売れ、売却益が出た場合、「譲渡所得」が発生し課税対象となります。譲渡所得は、売却金額から取得費(購入時にかかった諸費用)と、譲渡費用(売却時にかかった諸費用)を差し引くことで求められます。売却年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得、そうでなければ短期譲渡所得に分類され、所得税と住民税が課せられます。売却益が出なければ、課税はありません。
譲渡所得の金額に対しての税率は、長期譲渡の場合には約20%、短期譲渡の場合には約39%の税率で課税されます。長期と短期の区分や税率は、下記を参照してください。
◯ 売却にかかる諸費用
<売買契約時>
・印紙税
<決済時>
・金融機関へのローンの繰り上げ返済手数料
買主から受領した売買代金から残債の返済に充当し、ローンを完済。残債割れの場合、残債分の費用。
・抵当権抹消登記のための登録免許税と司法書士への事務手数料(登記費用)
・不動産会社への仲介手数料
※仲介手数料は、売買代金の3%+6万円(別途消費税)が上限として定められており、売買契約時に支払い金額が確定します。不動産会社によって金額が異なる場合がありますので、媒介契約時に確認しておきましょう。
◯ 売却時に清算するお金
・固定資産税・都市計画税(日割り分清算)
・管理費・修繕積立金(日割り分清算)
・敷金等の預かり金
◯ 滞納金がある場合の清算
・管理費・修繕積立金の滞納があれば、買主が継承してしまうので事前に精算する
・家賃の滞納があればこれも清算する
通常、家賃は翌月分が事前に支払われています。これは次のオーナーである買主が得るものですので、これも清算します。
6. 入居者へ大家の変更を通知
売買契約が成立したら、所有者の変更を入居者へ書面で通知します。家賃の振込先が変わるなど、入居者には手間をかけることになるので、配慮の気持ちを忘れないようにしましょう。入居者から預かっている敷金や保証金などを返還する義務は買主に継承されます。
注意点をしっかり確認し、失敗しないマンション売却を
マンション経営は長期保有を前提とした投資であり、比較的ローリスクで安定した投資商品と言えますが、売却時にはこれまでお伝えしてきたような注意点があります。売却を検討されている方は、売却が決まってから予想外の持ち出しが発生したり希望額で売ることができないと気付いたりしないように、費用項目を洗い出し収支のシミュレーションを行い、できるだけ正確な売却額が想定できるようにしましょう。
(写真=PIXTA)
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