
不動産投資シミュレーションでリスクと想定利回りを見える化しよう
ワンルームマンションなどの不動産投資を行う場合、売買価格はすぐにわかっても、費用がどのくらいかかるのかイマイチわからないという声を耳にします。また、金利によって返済総額がどのぐらい変わってくるのか、月々の返済額がどのぐらい違うのか、実際にどう算出するのかわからないという人もいるかもしれません。
そういった方のために、不動産投資において収支を自動的に計算してくれる、シミュレーションのアプリやフリーソフトがあります。
これらを利用して具体的な数値を知ることは、不動産投資を行ううえで大切なことです。特に初めて不動産投資を行う場合にはどんな費用がかかるのかわからなく不安に感じている方もいるでしょう。シミュレーションでは返済に無理がないかどうかも確認できるため、不安を払しょくすることにもつながります。
不動産投資をイメージできる
シミュレーションツールは現実に起こり得るケースをいくつか試算してみることで、どういった場合に問題があるのか、そのための対処方法はどんなことが考えられるかなどについて、イメージを把握することができます。
例えば、空室になった場合はどうでしょう。都心に近い駅から徒歩1分で、雨にぬれずに帰宅できるというマンションが仮にあったとします。こうしたマンションでは、空室となってもすぐに埋まる可能性の方が高いでしょう。
周辺の相場にあわせて家賃を見直す、リフォームをするなどの対策をとれば、空室となるリスクはさらに減らせます。そのため、あまり悲観的にシミュレーションツールを利用するのではなく、もっともよい場合(満室継続)から空室が数か月ある場合など現実的にあり得るケースをもとにツールを利用すべきだといえます。そして「見える化」を図ることがシミュレーションツールの上手な利用方法だといえます。
「見える化」により不測の事態に備えることができる
シミュレーションでは具体的な数値で収支を確認できます。年間でどの程度の収支となるのか、今の金利であればどのぐらいの返済金額となるのかといった数値が明確になります。これによりあやふやな投資ではなく、堅実かつ具体的な投資へと変えることができます。
また、こうした「見える化」により不測の事態にも備えることができます。例えば、空室が3か月発生した場合にはどれくらい返済に影響が出るのか、金利が上昇した場合に返済が滞る恐れがないかどうかなどを想定できるため、その対象方法として少しでも早く繰上返済を行えるよう努力するなど、対策を考えることも可能となります。
不動産投資シミュレーションを使うポイント
シミュレーションツールはさまざまな種類がありますが、基本的には数値を打ち込んでいくことでローン返済やキャッシュフロー、表面利回りなどのシミュレーションをすることができます。
シミュレーションを利用する前にまずは、入力必須項目の情報を手元に用意しましょう。中古マンション経営の場合、必要な項目は以下の通りです。
- ◯物件情報(物件購入価格・固定資産税・構造・築年数・修繕費用など)
- ◯賃貸情報(想定月額賃料収入・想定入居率など)
- ◯資金情報(自己資金・借入額・借入期間・金利など)
こうした既にわかっている、もしくは見込んでおきたい数値を入力することで、収支の計算を行うことができるのです。
シミュレーションツールを利用する場合の注意点は、リスクをどこまで織り込んで見積もるかということです。
空室となった場合どうするか、変動金利で借りた場合には金利が上がったらどうするか、不動産価格が下落したらどうするか、といった不安要素も考慮した上で行うことがシミュレーションのポイントとなります。
エクセルで不動産投資のシミュレーションを行うメリット
現在、無料で気軽に利用できる、さまざまなシミュレーションソフトやアプリがリリースされていますが、エクセルでシミュレーションを行う不動産投資家の方が多くいらっしゃいます。
エクセルでシミュレーションを行う最大のメリットは、利回り計算や支出のイメージがつくだけでなく、諸費用や入居退去情報など、経営に必要なデータの管理も一括で行えることです。
空室率や滞納期間などの入居者情報や、ローンや修繕積立金など諸費用のデータ管理は不動産投資にあたって必要不可欠となるため、管理とシミュレーションを一括で行えるエクセルはぜひ活用して頂きたいツールとなっています。
また、エクセルのシミュレーションシートも、無料で公開されているものが多くあるため、基本的な操作が可能であれば、誰でも簡単に利用するこが可能です。
シミュレーションを活用して収益率の高い不動産投資を
何もせずに何かが起きた時に対応するのでは、既に時遅しとなることもあります。先に見積もっておくことで、不安要素は取り除くことができます。シミュレーションツールの数値はあくまでも参考とすべきもので、最終的にその通りになるとは限りません。
いかにシミュレーション上最も良い状況(満室)を継続させることができるか、そのためには立地はどうなのか、もっとよい物件はないかどうかといった、ご自身にとって最も良い投資物件探しのためのツールとして利用されるとよいでしょう。
(写真=PIXTA)
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