
空室率を下げるためにマンションオーナーがすべきこととは?
(写真=PIXTA)
マンションの賃貸経営において何より大切なのは収益、つまり家賃収入です。そして家賃収入を安定して得るために、オーナーが常に注目しておかねばならないのが「空室率(全室数に対する空室数の割合)」です。入居者が入らず、空室では家賃収入は得られません。
その一方、賃借人は契約期間の途中でも事前に告知すれば自分の意思で退去できます。マンションの賃貸経営を行う上では、この空室のリスクを常に意識して空室率を下げる対策・工夫を講じる必要があります。
ここでは、空室率を下げるための対策について、少し考えてみたいと思います。
空室率を下げる対策
マンションの空室率を下げるには、どのような対策が考えられるでしょうか。まず、できるだけ人気のあるエリアの物件を購入することです。次に、物件の魅力を高める努力をすること、サービスの行き届いた管理会社を選ぶこと、さらに、競合となる周辺物件の家賃の相場をリサーチして、競争力のある家賃を設定することでしょう。
ここからは、空室率を下げる具体的な対策を6つ紹介します。
人気のあるエリアに物件を購入
賃貸マンションの購入に際しては、まず賃借人となるターゲットを決めます。具体的には、社会人であるのか、学生であるのか、男性であるのか、女性であるのか、単身者であるのか、ファミリーであるのかということなどです。
例えば、社会人の多くは会社に勤務される方が多いので、通勤の便が重視されます。ですから、職場へのアクセス性がポイントとなります。したがって、駅からの距離ができるだけ近い物件やオフィスが多い都市部への平均通勤時間が短くて済む物件を選ぶ傾向があります。
一方、学生は学校への距離がポイントです。たとえ駅から離れた郊外であっても、学校からの距離が近ければ学生を集客できる可能性は高くなります。まずはターゲット層決め、その人たちのニーズを考え、人気のあるエリアの物件を購入するようにしましょう。
購入にかかる費用が若干上がってしまったとしても、収益を考えると条件の良いアパートやマンションを購入することは重要です。
物件の魅力を高める努力をする
人気エリアの物件を購入することと共に、物件そのものの魅力を高めておくことも大事です。立地が良くても、賃借人が物件を見て「住んでみたい」と思わなければ借りてもらえないからです。
魅力のない物件では、いくら募集をかけても入居者が入ってくる可能性は低いでしょう。
魅力的な物件にする具体的な方法としてまず大切なのが、借り手が好むような間取りと設備を備えていることです。その条件が満たせないようであれば、リフォームや模様替えを行うべきでしょう。また当然ながら、部屋は綺麗にして、ガスコンロやトイレのウォシュレットなどの標準的な設備を整えておくことも大事です。
管理会社の選択
マンションの賃借人が気持ちよく住むためには、その管理会社が行き届いたサービスを提供できるかどうかも大事なポイントです。部屋の環境はオーナーの努力で改善できますが、マンションの外観や共有部分に関しては、管理会社のサービスに任せるしかありません。物件購入の際に、管理会社がマンションのメンテナンスやクレーム対応をしっかりと行ってくれるかどうかを確認しておくべきでしょう。
家賃の相場のリサーチ
空室が発生する最大の理由は家賃です。同じような物件でより家賃が安ければ、そちらを借りたくなるのが賃借人の本音でしょう。ですので、同じエリアにある同じタイプの賃貸物件の家賃相場は必ずリサーチしましょう。もし、その地域のなかで自分が相場より高い家賃を設定しているようであれば、引き下げを検討します。もし家賃を下げることで生じる収入減を避けたいのであれば、リフォームなどでの物件価値を高める投資が必要になります。
賃貸仲介業者の選別
集客能力が高い賃貸仲介業者を選別することも重要なポイントになります。自分の物件の魅力を十分にアピールしてくれる仲介業者が望ましいです。また、賃貸物件を探している人は、ほとんどがパソコンかスマートフォンを利用して不動産サイトから検索しています。ですので、自分の物件を一人でも多くの人に知ってもらうためには、アクセス数の多いサイトに自分の物件を登録してくれる賃貸仲介業者を選ぶことも必要です。
複数物件の所有とサブリースの活用
これは資金的な余裕がないと難しいですが、複数の物件を所有することで空室リスクを分散することができます。つまり1物件のみ所有の場合、それが空室となった場合の空室率は100%ですが、そこにもう1つ物件を所有していてそれが稼働していれば、空室率は50%となるということです。
また、「サブリース」という選択肢もあります。サブリースとは、一定の管理手数料を不動産管理会社に支払うことで管理会社が家賃を保証してくれるサービスです。サブリースは人気の高い物件には不要かもしれませんが、万が一のことを考えて、検討してみるのも良いでしょう。
空室率を下げ、リスクを抑えたマンション経営を
多くの場合、マンションのオーナーはローンを組んで物件を購入します。家賃収入がなくなると、ローンの返済や固定資産税の支払いが厳しくなります。最悪の場合は、収入がまったく無いのに、支出だけが発生することにもなりかねません。マンション経営では、空室リスクは避けられません。しかし、オーナーになった以上、常に満室状態にするには何をすべきかを意識して、改善の努力を怠らないようにしていきましょう。
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