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マンション経営・不動産投資の気になる!アレコレコラム
2019.10.10

マンションの寿命は何年?法定耐用年数と機能的・物理的な寿命

マンション寿命

物件を長期保有することが多いマンション経営で、マンションの寿命がどれくらいなのかを知っておくことは、とても重要です。マンションで最も多く採用されている鉄筋コンクリート造(RC造)の耐久性という意味では、業界の標準的な仕様書では約100年と規定されています。しかし、マンションの寿命は構造やメンテナンスによっても変わり、一概に言えるものではありません。

また、マンションの寿命という場合、単に建物のコンクリートや鉄筋が朽ち果ててしまうという物理的な理由だけではなく、むしろ他のさまざまな事情によるところが大きいのです。

今回は、マンションの寿命について、「耐用年数」や「物理的な寿命」、「機能的・経済的な寿命」などそれぞれ見ていきましょう。

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マンションの寿命・法定耐用年数

マンションは、購入してから年数を経るごとに、その資産価値・価格が落ちていきます。

財務省令の「法定耐用年数」によると、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の建物で、目的が住宅用の場合、耐用年数は47年です。しかし、この耐用年数は減価償却費の算定基準とされるもので、マンションを資産としてみた場合の経済的な観点を含んでいるため、物理的な寿命とは異なります。

国土交通省が2002年に発表した報告書によると、マンションの平均寿命は46年、建て替えが行われる平均の築年数は37年です。あくまでも実際の建て替え事例から算出された数値なので、やはり、マンションの物理的な寿命を表したものとは言えません。

国土交通省は、2013年の「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」において、「RC造マンションの寿命は120年で、メンテンナンスにより150年まで延命できる」などの報告もまとめています。

マンションの寿命~物理的な要因~

マンションの構造で最も一般的なのは、鉄筋コンクリート造です。鉄筋コンクリート造は靭性(粘り強さ)を持ち、引っ張り力に強い鉄筋と、アルカリ性で圧縮強度と耐火性に優れたコンクリートという2つの材質を組み合わせた構造なので、耐久性が強い堅牢な建物を建てることができます。

鉄筋コンクリート造の建物が劣化する主な原因は、躯体内部の鉄筋が酸化して錆びることです。アルカリ性のコンクリートが、時間をかけて中性化し、内部に埋められた鉄筋を錆びさせるのです。

もう1つの要因が、コンクリートの収縮によるひび割れなどです。コンクリートの主成分はセメントと水です。セメントに対する水の比率を「水セメント比」と言いますが、施工現場の状況などにより、水セメント比が基準より多いと、時を経てコンクリートが収縮してひび割れなどを起こします。そこから入り込んだ酸素や雨水が原因で鉄筋に錆が生じ、劣化を早めることがあります。

立地環境などによってもその影響度は変わるため、投資マンション選びの際はそういった環境も加味して検討すると良いでしょう。

日本建築学会が刊行している「建築工事標準仕様書 JASS5」によると、鉄筋コンクリート造の寿命は、大規模修繕不要期間が65年、耐久性の限界期間が約100年とされています。

なお、定期的な保守点検と補修を行うことで、建物の耐用期間は長くなります。最新のマンションは施工技術や建材の品質が向上し、その強度は上がり、耐用年数は昔よりも確実に伸びています。今後、マンションの物理的な寿命はさらに長くなるでしょう。

マンションの寿命~機能的・経済的な要因~

欧米の鉄筋コンクリート造の建物では、建築後100年以上経過したものも多く見られます。これに対して、日本のマンションは、建ててから取り壊されるまでの年数が欧米諸国よりも短い傾向にあります。

東京カンテイが2015年7月に発表したデータによると、国内で建て替えられたマンションの築年数は、全国平均で33.4年でした。また、東京都内のマンションは平均築40年でした。東京が6.6年全国平均よりも長いのは、東京のマンション需要が高く、経済的に寿命が長いことが要因と考えられています。

日本のマンションが海外と比較して「短命」な理由の一つには、高度経済成長期の建設ラッシュ時に建てられたマンションの存在があります。人手も材料も足りない中、短期間で数多く乱造されたマンションの中には、コンクリートの品質が粗悪なもの、塩分を多く含む海砂をセメントに使ったものなどがあり、それらのマンションは老朽化が早く、次々に建て替えられたと考えられます。

また、給排水管などの配管設備類の老朽化を理由として指摘する専門家もいます。配管設備の寿命は20~30年と言われています。古いマンションでは、給排水管の交換費用が、建物の取り壊し費用を上回ったり、配管がコンクリートに埋設されていて、物理的に交換が困難だったりしたため、躯体は無事でも、取り壊しを余儀なくされたものが少なくありません。マンションに必要不可欠な配管が機能を失ったことによる「機能的寿命」と言い換えられるでしょう。

さらに、「5階建なのにエレベーターがない」「洗濯機置場がない」など、現在の生活様式に追いついていない古いマンションでは、賃貸需要が見込めなくなり、「空室が増加して管理費や修繕金を捻出できなくなった結果、取り壊した」というケースもあります。これは言わば、マンションの「経済的寿命」です。

適切な維持管理でマンションの寿命は延びる

このように「マンションの寿命」は、構造躯体の物理的な耐久性という意味だけでなく、年月が経った結果、住まいとしての機能を失う機能的な寿命、修繕・管理ができなくなるという経済的な寿命など、さまざまな要因から総合的に決まります。

ただし、マンションを長持ちさせ、その資産価値を維持する最も大切なポイントは、「所有者や居住者が管理会社とともに適切な維持管理と修繕を行う」ということ。

マンションが一般家庭の住居として普及し始めてからおよそ半世紀。その間に、住まいについての常識は変化し、居住者の住み方も変わりました。入居者のライフスタイルを考慮し、適切な維持管理、修繕、リノベーションを行い、マンションそのものの資産価値を高く保つ努力が、結果的にマンションの寿命を延ばすことにつながります。今後、良いものを長く使うという環境に配慮したマンション経営が、より求められるようになるのではないでしょうか。

今後、マンションの購入を検討している方は、耐用年数なども考慮した上で物件選びをしていくことをおすすめします。

(写真=PIXTA)

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