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不動産エコノミスト 吉崎 誠二(よしざき せいじ)
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。 http://yoshizakiseiji.com

【第15回】区分マンション投資で、これだけは知っておきたい融資の事

2023年7月

 投資用マンション融資やアパート建築ローン等々、賃貸用不動産(=収益不動産)を購入する際の融資審査には、様々な要因から、時期によって審査の状況(厳しさ)に多少の波があるようです。
 また、投資用の新築マンションでは、デベロッパーが事前に金融機関と協議して「提携ローン」を用意している例が多く見られます。ただし、どんな場合でも同じような「ローン審査」があります。
 今回は、この「ローン審査」の審査基準について、個人が行う区分マンション投資をイメージして解説します。

投資用区分マンション融資と自宅用の住宅ローンとの違い

 自宅購入時に金融機関から借りる「住宅ローン」は、1960年代からの国の政策(=優良な住宅を国民が保有できるように)の後押しにより、金融機関は、概ねどんな時でも積極的に融資を行ってきました。また、一般的な住宅ローンのデフォルト率はかなり低く(=金融機関の貸し倒れリスクも低い)、また、確実な担保を取り抵当権を設定できること、などから、各金融機関は、昨今競うように低金利での融資を行っています。 
 こうした背景から、「住宅ローン」の審査は、比較的画一的な審査で、年収や勤続年数といった信用力を推し量り、「借りる方の所得がどれくらいか」で「借り入れ限度額」が決まります。また、金利は店頭金利(表向きの金利)ではなく「優遇金利」と称して、「融資実行時の金利」が示されます。
  一方、個人が行う投資用区分マンションの融資においては、住宅ローンと同じく個人の信用力に加えて、物件の担保力、物件の収益性等も合わせて審査対象となります。
 こうしたことを踏まえ金融機関が審査を行い、「融資実行可or不可」を判断、可能なら「いくらまで融資するか」、「金利」、「最大融資期間」などが提示されます。
 以下これらの要素を、順を追って解説します。

融資における個人の信用力を分解すればどうなる?

 融資を受けようとされる方は、金融機関から求められる個人情報を提供して、金融機関の融資審査を受け、クリアすれば融資実行を受けることになります。
 それでは、どんな要因が審査を左右するのでしょうか。

 投資用区分マンションという収益不動産に対する融資において、金融機関が判断する「個人の信用力」に与える要因を分解すれば、以下のようになるでしょう。

1. 年収
2. 勤続年齢
3. 年齢
4. 職種

 1つめの要素は年収です。自宅と異なり、投資用区分マンションにおけるローンの返済原資は、入居者からの賃料です。そのため、理論上はローン返済を含めた収益シミュレーションがプラスになっていれば問題はありません。しかし、空室想定・家賃想定等では収益シミュレーション通りに行かないこともあり得ますので、その際の支払い力が判断材料になります。
 また、自宅購入時の住宅ローンの時と同じように、勤続年齢は「安定的な収入があるかどうか」の判断材料になります。転職間もない方や短期間での転職を繰り返している方などは、不利になる可能性があります。
 次に年齢ですが、こちらは住宅ローンと同様に完済時の年齢に上限を持たせている金融機関もあります。
 最後に職種についてですが、金融機関はあまり公にはしていないようですが、一部金融機関では、給与が一定以上あっても、そのうちインセンティブ給のウエイトが高いような業界・職種の方は否認されることもあるようです。安定収入がない(見えにくい)との判断と思われます。
 個人の信用という観点では、既に自宅のために住宅ローンを借りている(残債務額による)や別に投資のための不動産を所有しており、そのために融資を受けている(残債務額による)、などは、当然、融資余力がどれくらいあるかということで、判断材料になります。

物件の担保力と担保評価額

 次の要因は、物件の担保価値です。どんな不動産への融資においても、貸し手(=金融機関)は、物件に抵当権を設定します(つまり、担保になるということです)。担保価値を判断して、その額を限度として金融機関は融資を行います。
 投資用の区分マンションの販売価格(売買契約価格)がそのまま金融機関が判断する物件価値とは限りません。3,000万円で販売されている物件の担保評価は、2,700万円と判断されることもあれば、3,200万円と判断されることもあります。理屈の上では、担保評価額が、融資可能上限額となります。
 そのため、投資用の区分マンションを購入する際には、販売会社(=デベロッパーや仲介会社など)に、「この物件の担保評価額はいくらか?」を確認するようにしましょう。いうまでもなく、販売価格に近い(あるいは超える)担保評価額物件を選びたいものです。

デベロッパーの信用力

 新築の分譲物件では、デベロッパーの信用力(=提携力)により、利用できる金融機関の数に多少の差があります。また、中古物件を購入する際にも、仲介会社の信用力で、同様の違いがあります。
 社歴が浅い企業や、小さな会社では、利用する金融機関を自分で探さなければいけない、ということもあるようです。また、提携している金融機関の数が多いと、融資条件を比較することもできますし、優遇金利を適用してもらえることも多いようです。このようなデベロッパーや仲介会社の信用力は、「長年にわたり実績があること」・「業界内外からの信頼があること」などが背景にあるようです。

 一般的なサラリーマンの方が投資用の区分マンションを購入する際、ほとんどの方が金融機関からの融資を受けて物件購入します。区分マンション投資を成功に導く、大きな要因の1つは、「融資の事に強くなる」ということです。
 ぜひ、参考にしてください。

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