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ファイナンシャルプランナー 大竹 のり子(おおたけ のりこ)
編集者を経て2005年4月に女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」を設立。 現在、雑誌、講演テレビ・ラジオ出演などのほか、女性FPによる個人マネー相談や人生の“やりたい”を“できる”に変えるための「お金の教養スクール」を運営中。『なぜかお金に困らない女性の習慣』(大和書房)『老後に破産しないお金の話』(成美堂出版)など著書は70冊以上に及ぶ。https://www.fpwoman.co.jp

【第10回】知っておきたい、マンション投資にかかるコスト

購入時にいくらの自己資金が必要なのかということに意識が向きがちなマンション投資。でも実際は保有している間にも継続して様々なコストがかかります。そこで今回は、投資用マンションの購入時と保有中、それぞれにかかるコストについてご紹介します。

■投資用マンションの購入時にかかるコスト

投資用マンションの購入時に必要なコストの中でも最もインパクトが大きいのが、いわゆる「頭金」です。頭金がいくら必要なのかは、物件価格に対して何割の融資がひけるかによって大きく左右されます。例えば、1,800万円の物件に対して融資が8割の場合には、残りの2割である360万円の頭金を自己資金で準備する必要があります。

それ以外にかかるものとしては、まず、融資に関連するものとして、融資契約(金銭消費貸借契約)に貼付する収入印紙代、融資事務手数料があります。融資の種類によっては、保証料が別途必要な場合や、団体信用生命保険の保険料が別途必要な場合もあります。

印紙代は、売買契約に対してもかかります。印紙代は、売買契約に応じて貼付すべき収入印紙の金額が法律で決められています。ただし、令和6年3月31日までは軽減措置が設けられており、売買価格が1,000万円超〜5,000万円以下の場合には本来2万円のところが1万円に軽減されています。

そして、決済と同時に行うのが不動産登記です。不動産登記をする際にかかるコストが登録免許税と手続きを代行してくれる司法書士等への報酬です。登録免許税の金額は、物件の固定資産税評価額(抵当権については債権金額)に応じて決定されますが、こちらも令和6年3月31日までは軽減措置が設けられています。

その他、購入時のみにかかるコストとして挙げられるのが仲介手数料です。仲介手数料の金額は、物件価格が400万円を超える場合には「物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税」が上限と法律によって決められています。多くの場合は、この上限額がそのまま仲介手数料となり、決済と同時に「成功報酬」として支払うことになります。ただし、物件を現在、所有している不動産業者から直接購入するのであれば、物件を「仲介」しているわけではないので仲介手数料はかかりません。

そして、購入からしばらく経って忘れた頃にやってくるのが不動産取得税です。不動産取得税は、購入後おおよそ6カ月〜1年が経った頃に納税通知書が送られてきます。

■投資用マンションの保有中にかかるコスト

次に保有中にかかるコストについて見ていきましょう。

保有している不動産がマンションの場合には、あらかじめ決められている管理費や修繕積立金を毎月支払う必要があります。これらの金額は、物件によって開きがあり、毎月のキャッシュ・フローにも大きく影響します。事前にしっかりチェックしておくことが重要です。

火災保険料や地震保険料は、初回の保険料を支払うのは購入のタイミングですが、その後も更新のたびに保険料を支払っていく必要があります。火災保険の最長契約期間は断続的に短縮されつつあり、現在は地震保険とともに最長でも5年となっています。したがって契約によっては1年ごと、あるいは最長でも5年ごとに継続的に保険料を支払う必要があります。

固定資産税・都市計画税も継続的に発生する代表的なコストのひとつです。金額はその時点での評価額や税率によって変動します。土地の評価額が上がるのは嬉しい反面、税額も上がるので、投資家にとってはある意味ジレンマを感じるところかもしれません。

そして、マンション投資=賃貸経営である以上、避けては通れないのが賃貸に関わるコストです。マンション投資をする以上は、入居者が退去した場合の原状回復費用や、エアコンや水回りなどの修理が必要になった場合の修理費用、新たに入居者を募集する際の募集費用など、数万円〜十数万円程度のコストが突発的にかかることがあることは常に覚悟しておく必要があります。

また、キャッシュフローに大きく影響するコストとして忘れてはならないのが、毎月のローン返済です。購入時に頭金を多く入れれば入れるほど、毎月のローン返済額は少なくなりますが、当然のことながらその分、購入時のコストは膨らみます。どのようなバランスが自分にとってベストなのか、購入前にしっかりシミュレーションすることをおすすめします。

■「経費」になるコストとならないコストがあることに注意

さて、ここまで購入時と保有中、それぞれにかかるコストについてご紹介してきましたが、ここでいう「コスト」とは、いわゆる「出費」と同じ意味合いです。

一方、投資用マンションを購入すると、毎年、その収支(不動産所得)について試算表を作成して確定申告を行うことになりますが、収支を計算するにあたっての「経費」という概念は、ここでいう「コスト」とは別のものになります。

例えば、購入時の頭金は、「出費」という意味では立派なコストですが、不動産所得を計算する上での「経費」にはなりません。なぜなら、試算表上は、頭金も含めた取得価格を「資産」として計上することになるからです。また、仲介手数料についても資産の購入のために要したコストとして取得価格に含めます。つまり「資産」の一部になるわけです。一方、不動産取得税や固定資産税などの税金、火災保険料、地震保険料、管理費などは「経費」として計上します。

毎月のローン返済についても、元本返済分は「出費」ではあっても「経費」とはみなされず、金利分のみが「経費」となります。こうした扱いも慣れないうちはちょっと不思議な感じがするかもしれませんね。

いずれにしても購入時も、保有中も、様々なコストがかかるのがマンション投資です。こうした全体像をしっかり把握した上で、上手に人生の味方につけていってください。

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