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ファイナンシャルプランナー 大竹 のり子(おおたけ のりこ)
編集者を経て2005年4月に女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」を設立。 現在、雑誌、講演テレビ・ラジオ出演などのほか、女性FPによる個人マネー相談や人生の“やりたい”を“できる”に変えるための「お金の教養スクール」を運営中。『なぜかお金に困らない女性の習慣』(大和書房)『老後に破産しないお金の話』(成美堂出版)など著書は70冊以上に及ぶ。https://www.fpwoman.co.jp

【第4回】働く女性のマンション購入事情

女性の社会進出とともに増えているのが働く女性のマンション購入です。しかし、マイホームは「人生最大の買い物」とも言われる高額な買い物。買おうかどうか悩みつつも、なかなか踏み出せないという人も少なくないはず。そこで今回は、働く女性のマンション購入について様々な角度から考えてみます。

■急激に進む、女性の社会進出

昨今、少子高齢化とそれに伴う生産年齢人口の減少が深刻な社会問題となっています。生産年齢人口とは、社会における生産活動の中心となっている層の人口のことで、日本では15〜65歳未満がこれにあたります。総務省統計局のデータによると女性の生産年齢人口は、2000年時点で約4,300万人だったのに対して、2019年時点では約3,700万人。つまり約20年で600万人も減少していることになります。

一方、実際の就業者数を見てみると、同じ2000年時点では約2,650万人だったのに対し、2020年時点では約2,968万人。つまり約20年で300万人増加しています。こうした生産年齢人口と就業者数の対比を見ると、近年、女性の社会進出がいかに進んでいるかがよくわかるのではないでしょうか。

また、15歳以上の人口に占める就業者の割合を示す就業率を見てみると、約10年前の2011年時点では女性の就業率が46.2%であったのに対し、2021年には52.2%と大きく伸びています。ちなみに男性はと言うと、2011年時点では67.6%、2021年には69.1%とほぼ横ばいです。こうした対比からも「働く女性」が増えているということがわかります。

■「働く女性」向けの専用ローンも

ところで、マンション購入は「人生最大の買い物」とも言われる高額な買い物です。ですから大半の人は、住宅ローンを組んでマンションを購入することになります。

住宅ローンを組む際に避けては通れないのが、「審査」です。住宅ローンの審査は、資産の状況、借入金の状況、家族構成、クレジットカード支払いの延滞などの信用情報など様々な観点から行われますが、中でも毎月の返済の原資となる「収入」はとても重要。勤務先はどこか、ここ数年の年収がいくらか、年によって変化はあるのか、勤続年数は何年なのか、どういった雇用形態なのかといった情報をもとに、30年、35年といった長期にわたって問題なく返済してもらえそうかを判断されるというわけです。

そして、ここでも女性ならではと言える問題がいくつか存在します。その代表とも言えるのが、男性に比べて女性のほうが給与水準が低いということ。内閣府男女共同参画局の男女共同参画白書(令和3年版)によると、2020年における男性の一般労働者の給与を100とした場合の女性の一般労働者の給与水準は74.3。また、これとも関係しますが、非正規労働者の割合は男性が22.2%であるのに対し、女性は54.4%と、なんと半数以上が非正規で働いています。

こういったことから、女性は、実際にマンションを購入しようと思っても、通常の審査基準ではどうしても男性に比べると審査に通りにくくなってしまいます。こうしたことを背景に、近年では、女性専用の住宅ローンも登場。年収が100〜200万円と低めだったり、非正規だったり、転職から間もなかったりといった場合でも融資が通る可能性は十分にあります。それだけでなく、女性だけの特典として繰り上げ返済の手数料が無料だったり、団体信用生命保険に三大疾病保障特約をつけた場合の金利上乗せ分が通常よりも安くなったりする場合もあります。

中でも働く女性、特にシングル女性がマンションを購入する際に注目したいのは、「ローン返済支援保険」や「債務返済支援保険」と呼ばれる保険です。近年では、死亡や高度障害といった状況だけでなく、がんをはじめとする疾病で働けなくなった場合も想定した団体信用生命保険が主流になってきていますが、それ以外の病気や怪我などによって働けなくなってしまう場合がないとはいえません。働けなくなって収入が一気に落ちたところに入院費や治療費がかかるだけでも負担が大きいのに、そうした場合でも住宅ローンの返済は待ってくれません。こうした状況において一定期間、保険金によってローンを返済してくれるのが「ローン返済支援保険」や「債務返済支援保険」。30日を超えて療養が必要となった場合に保険金が支払われます。

■不動産投資にも目を向けてみよう

さて、こうやって見てくると「私にも住宅ローンが組めるのかな」「働けなくなって返済できなくなったらどうしよう」と不安を覚えていたけれど、マンション購入を具体的に検討してみようかなと思った人もいるかもしれません。

でも、実はもうひとつ大きな選択肢があります。それが、「自分が住む」ためのマンションではなく、「誰かに貸す」ためのマンションを買う、ということ。「自分が住む」ためのマンションの場合、当然ですが、自分が働いてローンを返済していく必要があります。しかし、「誰かに貸す」ためのマンションの場合、入居者が払ってくれた家賃からローンを返済していきます。ローン返済が終わればまるまる資産になるという点ではどちらも同じです。

あなたがもし、「シングルのまま老後を迎えたときに備えてマンションを買っておいたほうがいいのかな」と思っているのであれば、「自分が住む」ためのマンションを買って働いてローンを返済する、という選択肢だけでなく、「誰かに貸す」ためのマンションを買って家賃からローンを返済する、という選択肢があることを知っておきましょう。マネープランの幅がきっと広がって見えるはずです。

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